キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー


(原題:Captain America:The First Avenger)
2011年/アメリカ
上映時間:124分
監督:ジョー・ジョンストン
キャスト:クリス・エヴァンス/ヘイリー・アトウェル/ヒューゴ・ウィーヴィング/セバスチャン・スタン/スタンリー・トゥッチ/他

 




 

MCU5作目、満を持してキャップの登場ですよ。

マーベル・シネマティック・ユニバースの発足に際して、過去の人気コミックを現代風にアレンジした過去作に対し、最も原作に忠実な作品でもあります。

第二次世界大戦を戦い、共産主義やファシズムと闘い、文字通りアメリカを背負って戦う男の物語は刊行当時の社会背景を髣髴とさせ、描かれるキャプテン・アメリカという純粋な愛国心。

その後のシリーズ作では「絶対的な正義」に対しての多角的な価値観を中心に描かれますが、盲目的に正義を信じる男のオリジンな物語として、MCUの中でも最も深い作品だと思います。

 

 

 

さっくりあらすじ

第二次世界大戦中、ナチス将校のヨハン・シュミットの舞台がノルウェーへと侵攻し、強大なパワーを有するコズミック・キューブを奪取した。

アメリカ・ニューヨークにて、強い愛国心を持ちながらも貧弱な青年・スティーブは何度も兵士になろうと志願しているが、その度に断られ続けている。

親友のバッキーと共に未来技術展覧会を訪れたスティーブは、そこでも兵士が募集されていることを知り、再び入隊を申し込む。

軍の科学者・エイブラハム博士はスティーブの強い愛国心と意思を認め、「スーパーソルジャー計画」の被験者として推薦するのだが、、、

 

 

 

スティーブ・ロジャーズ
強い愛国心、弱い肉体

 

超人血清を投与され、肉体は変貌
超人兵士が誕生する

 

代名詞”ヴィブラニウムの楯”ゲット

 

 

 

 

 

キャプテンの歴史

ソーを除けば、恐らくはMCU内では最年長であろう”キャプテン・アメリカ”ことスティーブ・ロジャーズ。

色々あって長期の冷凍睡眠に入り、70年近く止まった時を過ごしましたが生まれは1918年頃であり、世界大戦を含め最も歴史の長い人物だとも言えます。

 

強い心を持ちながらも、極めて貧弱な肉体を生まれ持った青年がいかにしてキャプテン・アメリカへと変貌を遂げたのか。

手にした”力”と、正しい道を歩みたい純粋な”願い”はどういった影響を及ぼし、またどういった代償を背負ったのか。

アメリカのプロパガンダを等身大で演じるスーパーヒーローに対し、また盲目的に正義を信じて実行する存在に対しての考え方が問われる深いドラマ性が見どころと言えるでしょう。

 

何せ”正義”がテーマですし、実際に起きた”戦争”が背景にあるし、重苦しい雰囲気になる要素が多いにも関わらず、セピアがかった柔らかい色彩と映像でマイルドにボカしたのは非常に上手い表現だと思います。

時代を感じさせる映像やベタベタなヒロインの存在、そしてヒロイックな人命救助など、良い意味で伝統的で演出も踏襲し、非常に丁寧な作りですね。

普通に観てたら実感しづらい地味な面ではありますが、こういった端々に作品に対する情熱とリスペクトを感じます。

 

とはいえドラマ部分に焦点を当てているため、アクション活劇としては少々物足りなさを感じます。

まぁ「アイアンマン」と「ハルク」と「マイティ・ソー」に比べれば確実に戦闘力は劣りますし、しょうがない部分もあるとは思いますが、終盤のアッサリ展開もあり、もうひとつ盛り上がりが欲しかったかなと。

 

 

で、キャップを演じるクリス・エヴァンスがとにかく素敵。

ヤンチャな雰囲気を漂わせる優男な風貌、これまた極限まで鍛え上げられたマッシヴな肉体、、ふぅ

強靭な肉体と甘いマスクから成る演技もさることながら、彼の肉体を極限まで貧弱に見せる職人技のVFXもまた称賛に値するでしょう。

 

またヒューゴ・ウィーヴィング演じる悪の親玉・レッドスカルも良い味を出してますね。

どうしても「エージェント・スミス」が脳裏をよぎりますが、こちらもまた狂信的な理想主義を掲げる純粋な悪として非常に魅力的にも感じます。

惜しむらくは、素顔を曝け出した際のキャラクターの魅力が大幅にトーンダウンしてしまったこと。

ウィーヴィング本人の演技力が秀逸なだけに、むしろ素顔を出さない方が迫力がある本末転倒な事態が最も残念なところです。

 




 

まとめ

”盲目的な正義”ということで、ある意味で「ウォッチメン」の善なる面のみにフォーカスしたような王道のヒーロー映画です。

歴代作品の中では地味めな印象ではありますが、他作品には無い深いドラマがあります。

むしろ肉体的な強さだけでなく、「心」すなわち精神的な強さを描いた作品としては一番内容が濃いのではと思うくらい。

 

「アベンジャーズ」に向けてのお披露目の最終章として、そこそこに見応えはありますよ。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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