(英題:Crimson Rivers Ⅱ:Angels of the Apocalypse)
2004年/フランス
上映時間:110分
監督:オリヴィエ・ダアン
キャスト:ジャン・レノ/ブノワ・マジメル/カミーユ・ナッタ/クリストファー・リー/ガブリエル・ラズール/オーギュスタン・ルグラン/他
前作はコチラ。
一応の続編とはなっており、主演のジャン・レノも続投されていますが、リュック・ベッソン監督のオリジナルストーリーとなっており、事実上のスピンオフといったところ。
なので前作と似たようなオカルト的なホラーを思わせながら、中身はゴリゴリのアクション×サスペンスとなっております。
特にベッソン監督が絡んでるだけあってアクションはなかなかの見応えがあり、当時そこまで注目を浴びていなかった”パルクール”をいち早く取り入れた作品な気がします。
まぁ、どこか怪しさと不気味さを感じる作品にパルクールが必要だったかは分かりませんが、、
さっくりあらすじ
フランス・ロレーヌ地方にある修道院にて。
禁忌とされる13号室で、修道士が壁に釘を打ち付けると血が溢れ出るという事件が発生し、ニーマンス警視と捜査班が壁をスキャンすると壁中に死体が埋め込まれていた。
その頃、若手の刑事・レダはキリストを模した格好をした男を発見し、衰弱からか不可解なうわ言を繰り返す男を入院させた。
捜査の過程で、修道院は第二次世界大戦中に使われた要塞とつながっていると判明するのだが、、、
ニーマンス警視
犬嫌い
若手刑事・レダ
ケンカ強い、足速い
敵は正体不明
特技はパルクール
斬新っちゃ斬新
ほとんどの人は「なんだかなぁ、、、」という感想になりそうな本作ですが、筆者はわりと好きな作品です。
オカルト×アクション×サスペンスという珍しいジャンルだと思えば、そう悪くはないんじゃないかなーと。
良くも悪くも大味な作品ではあるので、本格的な謎解きサスペンスを予想すると見事にすっこけますけどね。
監督としてはともかく、えらい確率で”駄作”とされるベッソン監督の”脚本”ですから、そこは期待する方が間違っていると言えるでしょう。
ストーリー的には意味不明&投げっぱなしジャーマン系なのであしからず。
そう多くはない登場人物の中で、クリストファー・リーが出てきた時点で”黒幕”を推理する必要も無いでしょう(笑)
キリスト教に結びつくような謎が独特のオカルティックな雰囲気を生むだけに、色々と残念ではありますが。
前作もそうですが、本作でも見所は血気盛んな若手刑事・レダを演じるブノワ・マジメルですかね。
端正な顔立ちに派手なアクションと、出る映画に恵まれれば一躍売れっ子になれる素材だと思います。
そんな彼の、というか映画を通して最大の見所はやはり謎のフード男との追いかけっこでしょうか。
とにかくスピーディーに走る、走る、走る。
「危ない刑事」でもこんなに走らんぞ、というくらい走り回り、また足が速いんですね。
カーチェイスならぬランチェイスですが、単純なシーンのようでこれがなかなかの迫力。
本気ですばしっこい犯人を捕まえてやろうという気概と気合が現れる良いシーンです。
まとめ
どこか現実から剥離したように思える猟奇的でミステリアスな前半から一転、豪快に投げっぱなすジャーマンで終わる本作。
どんな展開が待ち受けているのかのワクワク感をここまで”興ざめ”させるような温度差は、ある意味で貴重かもしれません。
謎に次ぐ謎を詰め込み過ぎた結果、よく分からんエンディングも人によっては嫌悪感を示すことでしょう。
決してスッキリする映画ではなく、特別オススメできる作品でもないのですが、独特の演出や映像が醸し出すオカルト臭だけは認めてあげてほしいところです。
ざっくり言えば「監督はそんなに悪くはないよ」と言うこと。
そこそこなサスペンスにそこそこなアクションと、観て損は無いかなと思います。
良ければ一度ご鑑賞くださいませ。