EAST MEETS WEST
(イースト・ミーツ・ウェスト)
1995年/日本(松竹)
上映時間:125分
監督/脚本:岡本喜八
キャスト:真田広之/竹中直人/スコット・バッチッチャ/アンジェリック・ローム/ジェイ・カー/リチャード・ネイソン/チップ・メイヤー/岸辺一徳/橋爪淳/天本英世/本田博太郎/風間トオル/高橋悦史/仲代達矢/他
史実に残る”万延元年遣米使節”(1860年に日米修好通商条約を結ぶため、アメリカに派遣された人達)をモチーフに作られた、時代劇&西部劇風のアクション映画。
サムライとガンマンが対決、さぁ強いのはどっちだ!?と男心をくすぐるロマンな映画でもあります。
監督を務めるは「技巧派の大物監督」と評される岡本喜八。
時代劇×西部劇という映画でありながらもガンアクションや殺陣に頼らず、かといって異文化交流の面白さを描くでもなく。
物語の焦点や見所を敢えてボカすような演出が、独特の作風に繋がっているのではと感じます。
良くも悪くも非常に挑戦的な作品ですが、それを面白いと感じるかつまらないと感じるかはまた微妙なとこなんですよね。。
実際「黒澤映画には及ばない」といった評価が多いようで、正直筆者もちょっとだけそう思いますが、それにしても十二分に楽しめる良作です。
さっくりあらすじ
1860年、日米修好条約締結のため、日本人使節はアメリカ海軍所有のポータハン号に乗り込む。
井伊直弼の命を受け、護衛として軍艦奉行の木村摂津守と、艦長の勝隣太郎が率いる咸臨丸が浦賀を出向し、アメリカへと向かう。
さらに通訳のジョン万次郎、通訳見習いの上条健吉、そして御庭番の為次郎も同行することに。
そうして一向はサンフランシスコに到着。
さっそく手持ちの3000両を銀行へと預金するつもりだったが、ガス・テイラー率いる強盗団に襲撃され、3000両は奪われてしまう。
上条は強盗団に父親を殺された少年サムと共に現場を離れ、父親の埋葬を手伝うことになる。
しかし木村摂津守と勝隣太郎の調査の結果、上条健吉は水戸を脱藩した暗殺者であることが判明。
侍になることを夢見る御庭番の為次郎は、消えた3000両と上条を捕まえるために後を追うのだが、、、
真田広之の殺陣は必見!
竹中直人は安定のコメディ要員
殺陣とガンアクション
何と言っても真田広之がとにかくカッコいいんです。
不器用で実直な侍の役ですが、共に旅する子供に剣術を教えてあげたり、任務を後回しにして彼の父親の敵討ちを優先したりと、優しさと義侠に溢れる”漢”を演じています。
「ラストサムライ」でも証明したように、本作でも見せ場は少ないものの圧倒的な刀捌きを見せてくれます。
昨今に多い「枝を振り回してんの?」と聞きたくなるようなインスタント・カタナアクションとは全く異なる迫力ある殺陣も必見。
速さ・重さ・キレを十分に表現しています。
最近は本当に殺陣ができる役者さん少なくなったよなー。。
そして第二の主人公・為次郎を演じる竹中直人も健在で、ユニークで面白い演技はこの頃から健在ですね。
侍になりたい忍者の役ですが、もう根っからの忍者気質なんですよね(笑)
絶対侍に向いてない人柄がまた笑わせます。
旅の途中で出会ったインディアン娘と恋に落ち、侍の夢と愛の狭間で揺れ動くあたりも興味深いところです。
ついでにサム少年が可愛くて可愛くてもぅ。。。ふぅ。
現在では俳優のスコット・バッチッチャの情報が全然無いので詳細は分かりませんが、小さな子供が脇差の練習をする姿はなかなかシュールで可愛らしいです。
最後の対決シーンは手に汗握ります、サマになっていてカッコいいですよ。
まとめ
かなり古い映画なので、今時の映画に慣れている方にはアクションシーンはきっと見劣りするでしょう。
でも今の映画には無いものも存在するので、そのあたりを楽しんでもらえればと思います。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。