(Valentine’s Day)
2010年/アメリカ
上映時間:125分
監督:ゲイリー・マーシャル
キャスト:アシュトン・カッチャー/ジェニファー・ガーナー/ジェシカ・アルバ/アン・ハサウェイ/トファー・グレイス/クイーン・ラティファ/テイラー・スウィフト/カーター・ジェンキンス/ジュリア・ロバーツ/キャシー・ベイツ/ジェイミー・フォックス/ジェシカ・ビール/ブラッドリー・クーパー/エリック・デイン/ジョージ・ロペス/他
明確な主人公を設定せず、バレンタインをテーマに、多くの人たちの行動を平行して表現したラブコメ群像劇です。
様々な人物のオムニバス映画と言えば分かりやすいですかね。
色々な視点を通してバレンタインデーを過ごしてくわけですが、キャスティングが物凄く豪華です。
有名俳優をちょこちょこっとつまんでいく贅沢な演出はとにかく面白く、じわじわと収束していく物語の完成度はなかなかのものです。
また日本のものとはだいぶ異なる、本場のバレンタインの過ごし方もなかなかに興味深いのではないでしょうか?
ちなみに監督は名作「プリティ・ウーマン」のゲイリー・マーシャル。
同じく「プリティ・ウーマン」にて、悩める娼婦を演じたジュリア・ロバーツがお堅い軍人を演じるあたりにシャレっ気を感じます。
全体的に大物俳優だらけで演技の質が高く、どのエピソードも非常に面白いです。
頑張ってる人。
空回ってる人。
仕事が上手くいかない人。
恋愛が上手くいかない人。
素直な人。
隠し事がある人。
奥さんと仲良しな人。
恋愛を理解できていない小学生などなど、、、
全ての人物設計が丁寧で魅力的です。
そんな個性豊かな人物たちの物語が交差してより深く、より複雑な物語になっていくわけですな。
意外な人と意外な人に接点があったりと、ちょっとしたサプライズ要素も物語を盛り上げ、興味を引いて行きます。
全体的にコメディ寄りな演出が面白く、まさにバレンタイン・デーに観たい映画です。
さっくりあらすじ(オムニバス形式)
・バレンタインの朝、ロサンゼルスの花屋で働くリードは、恋人モーリーの目覚めと共にプロポーズ。
モーリーも笑顔で指輪を受け取り、幸せだったはずの二人だが、リードが出勤した後にモーリーは荷物をまとめ出て行こうとしていた。
・落ち着いた物腰が魅力的なホールデンと、一日だけ休暇をもらえた女性軍人のケイトは、飛行機内でたまたま隣り合わせる。
会話をしていくうちに徐々に打ち解けていく二人だが、お互いロサンゼルスに待っている人がいる。
・理想の男性であるハリソンと一晩を過ごし、幸せを噛み締めている小学校教師のジュリア。
ホテルから共に出勤する二人だが、出張で空港へと向かうはずのハリソンは違う場所へと向かっていた。
・結婚50年を過ぎても、変わらずに愛を誓う老夫婦のエドガーとエステル。
しかし妻エステルには長い間抱えていた秘密があり、夫エドガーに告白をし始める。
・有名なアメフト選手のマネージャーとして働くカーラ。
毎年主催している”バレンタインなんか大嫌い”の参加者が当日にも関わらずゼロだと分かり、みるみる荒んでいく。
スポーツキャスターのケルヴィンはそんな彼女に取材目的で近づくのだが、彼女がヴァレンタイン・デーを嫌う理由を知ってしまう。
・バレンタイン・デーに初体験を済ませようと企む、高校生カップルのグレースとアレックス。
実家の彼女の部屋にて、初体験を盛り上げようとひとり演出を始めるアレックスだが、グレースの母親が帰宅してしまう。
・母親と離れて暮らす小学生のエディソン。
同級生の女の子に恋をした彼は、バレンタイン・デーの昼休みに花束を届けてもらおうとする。
・初めて一夜を過ごしたジェイソンとリズ。
今夜はディナーを過ごす約束をするも、リズには彼に言えない秘密を抱えていた。
花屋って素敵なお仕事です。
頭のゆるい女子高生グレース
今や歌姫として活躍中のテイラー・スウィフト
山あり谷ありのバレンタイン・デー
「ラブ・アクチュアリー」や「ニューイヤーズ・イブ」をご覧になったことのある方は、おそらく大体楽しめます。
というか、まんまバレンタイン・デーに鞍替えしただけとも言えます。
細かく挙げていくとキリが無いので割愛しますが、まさに悲喜こもごも、当たり前の話ではありますが人の数だけ物語があるんだなーと。
強いて言えばやや下ネタが入ってきますが、普通はスルーできるレベルのお話かと思います。
でも小学生くらいの子だと少し気まずい思いをしますので、気をつけましょう。
あくまで大人のお話です。
主役級のアシュトン・カッチャーがかっこいいですねぇ。
こんな花屋さんいたらメチャクチャ売れるよね。
キレたジェニファー・ガーナーが、男を追いつめていく様も恐ろしくも面白い。
笑えるのと怖いのとが絶妙なバランスです。
あと個人的に好きなクイーン・ラティファは安定の面白さ。
コメディ・リリーフとしての存在感は、さすがの一言ですな。
総じてどのエピソードも魅力があり、それぞれの物語は見心地が良いものです。
ここから余談ですが、本場のバレンタインは日本と違って男性が女性にプレゼントをします。
プレゼントもチョコレートに限らずジュエリーや花、ぬいぐるみ等、何でもアリです。
ついでに義理チョコという文化も全くありません。
一応学校行事として、地域によってはみんなで交換したりすることもあるようですが、基本的には好きな人だけに気持ちを込めてプレゼントをする日みたいですね。
ちなみにホワイトデーという概念はありません。
さすがはレディーファーストの国でしょうか、完全にメンズが頑張るだけの行事となっております。
まとめ
チョコレート会社に踊らされまくってる日本人ですが、このアメリカのバレンタイン文化もなかなか素敵なんですよね。
僕らもこの映画を見習って、たまには彼女や奥さんに何かしてあげるのも良いんじゃないでしょうか?
たった一日のお話ですが、良い話、悲しい話を混ぜ込んだ楽しい映画です。
繰り返しになりますが、家族や夫婦やカップルで、チョコでも食べながら観て欲しい作品です。
オススメです。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。