アイス・エイジ


(原題:Ice Age)
2002年/アメリカ
上映時間:81分
監督:クリス・ウェッジ/カルロス・サルダーニャ
キャスト:レイ・ロマーノ/ジョン・レグイザモ/デニス・リアリー/タラ・ストロング/クリス・ウェッジ/ゴラン・ヴィシュニック/他

 




 

 

前回に続き、ふと思い出したんで氷河期のお話を。

2002年公開のアニメーション作品ですが、その後シリーズ化され2016年までに5作品も製作されております。

作品として、ジブリやピクサー等の大御所と比べると若干の見劣りは否めませんが、それを差し引いても十数年前の作品としてはよく出来ているように思います。

基本的に子供向けな作品であり、大人が楽しむには物足りなさも残りますが、サクッと簡潔にまとまった完成度は一見の価値ありです。

 

 

 

さっくりあらすじ

氷河期の到来を前に動物たちが南下し始める中、マンモスのマニーは北へと向かい、サイに追いかけまわされていたナマケモノのシドを助けることになった。

家族に置いてけぼりにされたシドはマニーと一緒なら安全だろうと考え、邪険に扱われながらも一緒に行動することに。

人間に恨みを持つサーベルタイガーの群れは人間の赤ん坊を生け捕りにするために野営地を襲うも、母親と赤ん坊は滝へと飛び込んでしまい、群れのリーダー・ソトは手下のディエゴに赤ん坊を捕まえるように命じる。

偶然にもマニーとシドは川岸に流れ着いた母子を見つけるが、母親は2人(2頭)に赤ん坊を託して死んでしまい、赤ん坊の処遇を巡ってマニーとシドは対立する。

そこにディエゴが現れるも、一人ではマニーに敵わないディエゴは赤ん坊を人間に返すためのガイド役として同行することになるのだが、、、

 

 

 

ホモ・サピエンス(人間)の赤ちゃん

 

種族を超えた3頭と1人

 

ギャグ担当のリスのような何か
ドングリに対する執着心は凄まじい

 

 

 

 

無難な作品

良く言えば誰でもそれなりに楽しめる、悪く言えばありきたりとも言えるような、正にバランス感覚の真ん中に立つ作品です。

赤ん坊の造形を見て分かる通り絵柄に若干のクセがありますが、馴れれば何てことのない話ですし、それだけで敬遠するにはさすがに勿体ないかな。

むしろ、やんわり不気味なナマケモノやリスがだんだんと可愛く見えてくるので、そういう意味では妙な中毒性があるとも言えます。

最近の映画の傾向のような捻りやどんでん返しは皆無な内容ですが、子供向けにと考えれば抜群の安定感だとは思いますよ。

 

 

物語としては赤ちゃんを中心に添えた「努力」と「友情」の王道なもの。

いわゆる少年ジャンプ的なノリの予定調和なので特筆すべきものは特に無し。

むしろ大人の視点で観る「過去の遺恨」と「贖罪」を通した葛藤や優しさに注目してほしいところです。

 

洞窟内の壁画を見て、人間の乱獲により家族を失ったことを思い出しながらも赤ん坊に心の傷を癒されるマンモス。

冒険の中でトラブルをマンモスに救われ、赤ちゃんを奪う任務に心苦しさを覚えるサーベルタイガー。

これは即ち。

自身のつらい過去を引き起こした人間に対しての復讐を考えず、ただ静かに事実を受け止めること。

絶対的な組織の命令に心を悩ませ、その上で自分の正義を選ぶこと。

という風に解釈できるわけですな。

その解釈をどう受け止めるかは人それぞれでしょうが、そこまでを理解せずにつまらんギャグアニメで終わらせるには極めて惜しい作品です。

 

基本的にはギャグ路線な作品ではありますが、大人として、親として、笑いに包まれた中に残るメッセージ性に気を付けて観てほしいなと思います。

エンディングを迎える頃には各キャラクターに愛着も湧いてきますし、氷河期の話でも優しい暖かさを感じる良い映画だと思いますよ。

 




 

 

 

まとめ

実に単純でご都合主義な作品であり、いかにも子供向けな内容で大人が観るには堪えないという意見もあります。

しかし表面的な楽しみ方だけではなく、個人的には映画の深いメッセージを理解して初めて価値の出る作品だと思います。

時間も短めでテンポ良く、実際の完成度はなかなかのものです。

 

カップルでも親子でも家族でも、そこそこに楽しめて感動できるはずです。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



ブログランキング参加してみました。
良ければポチっと押しちゃってください。