(原題:John Wick:Chapter 2)
2017年/アメリカ
上映時間:122分
監督:チャド・スタエルスキ
キャスト:キアヌ・リーブス/ルビー・ローズ/ローレンス・フィッシュバーン/クラウディア・ジェリーニ/コモン/イアン・マクシェーン/ランス・レディック/他
前作はコチラ。
妻と飼い犬を失った孤高の元殺し屋が、悲しみを胸に復讐に燃えるアクション・シリーズの2作目。
独特のアクション演出と、悲壮感に苛まれたキアヌ・リーブスの無双っぷりが面白く、孤独な男の悲哀と容赦の無い殺しっぷりのコントラストが光る本シリーズ。
前作から5日後のニューヨークが舞台となりますが、前作と同じく街中の殺し屋に狙われるジョンの無双っぷりが見所となります。
銃(ガン)とカンフーを融合させた”ガンフー”が注目された前作に対し、今回はガンフーと車(カー)を融合させた”ガーフー”がウリになっているそうな。
もはや意味は分からねぇ。
暗殺を生業としてきた因果か、妻を失った男の悲しい運命か、3作目に続く橋渡し的な作品としては良く出来ていると思います。
さっくりあらすじ
死闘から5日が過ぎ、自分の愛車を取り戻したジョンだったが、返さなくてはいけない借り「誓印」のあるイタリアン・マフィアのサンティーノから依頼を受ける。
引退を決意し、もう殺しはウンザリだとジョンは断ろうとするが、その代償として妻との思い出が残る家を爆破されてしまった。
困ったジョンはニューヨークの殺し屋を仕切るウィンストンの力を借りようとするが誓印の掟は絶対だと諭され、依頼通りサンティーノの姉の暗殺を受けることになるのだが、、、
掟を無視したせいで
大事な家が吹き飛ばされる
仕方なしに依頼を受け
再びぬっ殺しまくる
そして再び
あちこちから狙われる羽目に
殺しの螺旋
深い悲しみに重なった悲哀を中心に描いた前作に対し、今回は単純にアクションを重視した印象。
文字通り身を削り、せっかく取り返した愛車をボッコボコにしながら敵を轢き殺す衝撃のスタートです。
で、序盤に妻との思い出の家(というか大豪邸)を吹っ飛ばされたのを最後に、掟に縛られ自由を失ったジョン・ウィックのサバイバルが中心となります。
よりエンタメ性を高めた反面、ドラマ性は大きく削られており、このあたりは若干好みが分かれるところでしょうか。
今回は誓印と呼ばれる、殺し屋の世界での”絶対の約束”により、ジョンが再び暗殺稼業に戻ります。
引退しているとは言え誓印の効力は絶対のようですし、むしろ引退する前に何とか清算できんかったのか?な気がしないでもないですな。
そもそも人を殺して得た金で立派な邸宅に住み、高級車を乗り回しているわけですし、その上で「平穏な生活」を望むのは流石に都合が良すぎるのかなと。
過去の因縁に捉われる苦悩は分からんでもないですが、前回のようなイレギュラーなトラブルではなく、なるべくしてなっただけに悲哀は感じづらいところです。
その割にはあっさりと殺し屋の誓いを破ってみたり、どうにも脚本的な支離滅裂が気になります。
まぁ3作目に繋げるための前フリとして必要なのは理解はできますが、結果としてジョンが「業界の常識を守らない無頼人」なようにも見えますし、彼の主張や態度に正当性が見当たらないのも事実。
「たかが犬」のために皆殺しを選んだ前作とは打って変わって、自分の立場を無視する姿には微妙に感情移入が難しく、この姿勢こそが最大の難点と言って良いでしょう。
とはいえ、前作から続く洗練されたアクション性は変わらずに魅力的。
いくら被弾しようが、特殊仕様なスーツで大丈夫!!
ゴルゴ13も真っ青なレベルでヘッドショットをバンバン決めるよ!!
と、良いか悪いかは置いておいて、不謹慎ながらも気持ちの良い見応えですな。
ついでに”テイスティング”と称し、上等なスーツを仕立てるが如く重火器や防弾スーツを選ぶ姿は何ともエレガントでジェントルなロマン(意味不明)がありますな。
自分が殺し屋家業を始めたら、ぜひとも伺ってみたいものです。
まとめ
言うても、やはり橋渡し的な2作目ということで、前作と比べると見劣る感は否めませんが、その上でもそれなりに楽しめる作品だとは思います。
ドラマ性よりもエンタメ性を重視し、あからさまなザ・暗殺業界な演出が絶妙に厨二病をくすぐるんですな。
まぁ1作目が好きな人は鉄板で本作も楽しめるでしょう。
楽しむための要素が非常にシンプルであり、良質なポップコーン・ムービーと言っても良いと思います。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。