キングスマン
(原題:Kingsman:The Secret Service)
2014年/イギリス
上映時間:129分
監督/脚本:マシュー・ヴォーン
キャスト:タロン・エガートン/コリン・ファース/サミュエル・L・ジャクソン/マーク・ストロング/マイケル・ケイン/ソフィ・クックソン/ソフィア・ブテラ/他
クロエ・モレッツたんが最高に萌える問題作「キックアス」で有名なマーク・ミラーによる作品「ザ・シークレットサービス」を映画化したスパイ・アクション。
「キックアス」「X-men ファーストジェネレーション」でメガホンを取ったマシュー・ヴォーンが監督&脚本を努めています。
もうこの時点でつまらないはずないですよね。
ちなみに原作から映画化するにあたり、大幅にアレンジされているそうです。
近年はそれぞれの作品が、政府陰謀論や国家間の政治的な駆け引きなど、シリアスなテーマを掲げる作品が多いですよね。
そんな中で、SFな武器を片手に超展開を繰り出す作風は、非常にユニークで奇抜な発想に感じます。
とはいえ決していい加減な内容ではなく、格差社会に貴族的な選民思想という現実にあり得る硬派なテーマが特徴的。
それらに対し、真正面から切り込んだ上での過激で皮肉めいた演出が、非常にユニークで面白いところだと思います。
さっくりあらすじ
ロンドンに居を構える高級テーラー「キングスマン」
その裏では所属する国を持たず、国境を越えて数々の事件を解決するスパイ組織として活躍していた。
円卓の騎士をなぞらえた少数精鋭の組織形態、そしてその中でも優秀なスパイであるガラハッド。
彼はかつてキングスマンの候補生として、訓練中に殉職した隊員の息子・エグジーを導き、エグジーもまたキングスマンの一員になるべく選考試験に参加することになる。
一方でベテランスパイであるランスロットが任務中に死亡したことで、その一連の事件を調べ始めたガラハッド。
事件の裏にアメリカの富豪であり、実業家でもあるリッチモンド・ヴァレンタインの存在に気づくのだが、、、
やさぐれたエグジーの訓練が始まる
マナーが人を作るんです
テーラーの地下には秘密基地
新しいスパイのかたち
イギリスのスパイのイメージ(というより007かな?)のオマージュを意識しており、秘密スパイ工作員が世界を駆け回るというベタベタな設定です。
しかし、ライターや傘などの日用品をかたどった便利アイテムや、日常に溶け込む秘密基地などが興味を惹きますね。
古典的なロマンを現代風にアレンジする発想は非常にユニークで、今では逆に新鮮に感じます。
独特のカッコいいアクションもまた魅力的で、素早く的確に動き、1発2発と銃弾を撃ち込む姿は素晴らしいの一言。
特にコリン・ファースが、初めて挑戦したとされる教会でのアクションシーンは迫力満点。
若干エグめな演出ですが、黙々と敵を制圧&殺傷していく姿には惚れ惚れしてしまいます。
主演を務めた期待の若手、タロン・エガートンの未熟な可愛らしさ。
それを支えるコリン・ファース。
更にサミュエル・L・ジャクソンやマーク・ストロング、マイケル・ケインなどが脇を固める素晴らしいキャスティングも魅力的。
特に悪役やクセのある人物を演じてきたマーク・ストロングが正義サイドを演じたのは、個人的に感慨深いものがありますね。
また、一流のスパイの着こなしとしてのスーツや靴の選び方がカッコよく、衣装担当の並々ならぬこだわりも見て取れます。
なんせ監督があのマシュー・ヴォーンなので、皮肉あり、過激な演出あり、下ネタありと起伏がしっかりしていて、飽きることなく観れる作品です。
ただ風刺的、皮肉的な表現が多い一方で、ややグロめな演出も多いので若干ですが人は選びそうです。
ブラックユーモアが苦手な方にはつまらないかもしれません。
まとめ
初めてのアクションに挑んだ名優コリン・ファースですが、カメラワークやアクションエフェクトも含め、予想以上の素晴らしいアクションシーンを見せてくれます。
ベテランのスパイとして、あくまでクールに、紳士的に。
黙々と相手を睨みつけ、効率良く敵を始末していくコリン・ファースがカッコ良すぎてもぅ、、、ふぅ。
過去のスパイ映画と比べても全く見劣りしない、迫力あるアクションはこれだけで一見の価値ありです。
マジで。
まさに痛快スパイ映画といった感じの本作。
イーサン・ハントとジェームズ・ボンドの間に割って入った新しいスパイがどこまで通用するのか、これからの活躍に期待したいところです。
オススメです。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。
おまけ
珍しく正義サイドで出演しているマーク・ストロング。
ハリウッドでは悪役をこなすイギリス人俳優の代表格として非常に有名な方で、それをネタにしたCMまであるんだそうな。