(原題:Man on Fire)
2004年/アメリカ/メキシコ
上映時間:146分
監督
トニー・スコット
キャスト
デンゼル・ワシントン/ダコタ・ファニング/クリストファー・ウォーケン/ラダ・ミッチェル/マーク・アンソニー/ジャンカルロ・ジャンニーニ/レイチェル・ティコティン/ミッキー・ローク
アフリカンアメリカン史上2人目のオスカー俳優に輝いた、デンゼル・ワシントン主演作。
不器用で寡黙なボディガードを演じる演技派俳優のデンゼル・ワシントンと、可愛らしいだけでなくガチで天才子役のダコタ・ファニングが心を通わせていく、微笑ましくも悲しいお話です。
と思いきや後半ではけっこうエグいシーンも出てきますので、微笑ましく鑑賞しているとびっくりする作品でもあります。
さっくりあらすじ
かつて軍の特殊部隊に所属していたものの、今ではアル中でろくに職も無いジョン・クリーシー。
そんな彼のために、ジョンの友人・レイバーンは幼い少女・ピタのボディガードの仕事を紹介する。
そしてジョンは嫌々ながらも9歳のピタの護衛を始めることに。
しかし徐々に彼女に対する情が芽生え、互いに信頼関係が生まれ始めるのだが、、、
孤独な男と奔放な女の子
やがて唯一無二の親友になるのだが、、、
「女優」ダコタ・ファニング
デンゼル・ワシントンの知性と、不器用な優しさを感じさせる、卓越した演技力は安定の素晴らしさ。
一方で怒りと悲しみを胸に、淡々と悪人をぬっ殺していく”プロの顔”の演技は本当に恐ろしく、さすがとしか言いようの無い迫真の演技が光ります。
この温度差は凄いですよね、例えれば緋村剣心と人切り抜刀斎くらいのギャップです。
(例え下手)
対して、9歳の女の子・ピタを演じるダコタ・ファニングの演技力も突出して高く、”天才子役”というよりは一人の”女優”としての貫禄さえ感じてしまう。
この愛らしい容姿に加え、この演技力。
このレベルの子供女優は世界広しといえど、そうはいないでしょう。
ハリウッド進出も果たしたものの、日本が誇る天才子役の芦田愛菜先生もさすがにこの域には達していないように感じます。
この二人が交流を通して仲良くなっていくさまは本当に微笑ましく、観ていると思わずこちらもニコニコしちゃうくらい愛らしいもの。
徐々に打ち解けあい、信頼や絆を築いていく様子は何とも情が深く、しっとりとした感動がありますね。
しかし、後半に入るとそんなほのぼのシーンは一転して恐怖の復讐劇に変わります。
マジでキレちゃったジョンが悪党を捕まえ、拷問していくシーンなんかは本当に怖い。
鋭く尖った氷の如し、良い人がキレて残酷になっていくのは直視するのがつらいほど。。
爆発するような怒りを、静かにゆっくりとぶつけていく様子は、本気で怒った人間の凶気すら感じさせます。
本当は優しく思いやりのある男が、大事なものを取り戻すために殺人マシーンへと変化していく過程が一番の見所かもしれません。
まとめ
ごはんが美味しいメキシコですが、負の側面は世界トップクラスの恐ろしさ。
カルテルと市長、警察までもがグルになって誘拐をするなど、国レベルでヤバイことになっている現実があります。
余談ですが実際に誘拐ビジネスというものも実在するらしく、筆者がニューヨーク在住時のルームメイト(メキシコ人)は誘拐専門の弁護士となるべく勉強中でした。
実際に道路に遺体が落ちているのも見たことがあるんだそうで、笑っていいんだか悪いんだか。
あまりにも価値観が違い過ぎて、日本の平和が嘘みたいに感じますよね。
最後の展開が賛否分かれるところなのでオススメとまでは言いませんが、それなりに見応えのある映画ではあります。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。