月に囚われた男

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(原題:Moon)
2009年/イギリス
上映時間:97分
監督/原作:ダンカン・ジョーンズ
キャスト:サム・ロックウェル/ロビン・チョーク/ケヴィン・スペイシー/ドミニク・マケリゴット/カヤ・スコデラリオ/ベネディクト・ウォン/マット・ベリー/マルコム・スチュアート

 




 

 

月を舞台に描かれるSFサスペンス。

映画を作る上で、予算を抑えることはどの監督としても必須の責務であります。

ましてSFな題材であればCGを駆使することになるので、どうしても予算がうなぎ上りになってしまうもんです。

が、この映画の制作費たったの500万ドル、製作日数たったの33日という驚異的な省エネ作品でございます。

 

監督のダンカン・ジョーンズはかのデヴィッド・ボウイの息子さんで、もともとPVやCMを作っていたそうな。

予算を削るためCGよりもミニチュアを多用し、全編を通してほぼ2人の役者にのみスポットを当てることで独特な世界観を含む面白い映画になったわけです。

偉大な父を超えて、より有名な映画監督になれるように頑張ってほしいですね。

 

 

 

さっくりあらすじ

燃料資源を使い果たした未来の地球。

そこでたった一人だけで、月で採掘される燃料を回収し地球へと送る仕事をしている男がいた。

彼の名前はサム・ベル、そして月の仕事の契約期間は3年。

愛する妻と娘への想いを励みに、人工知能のガーディと話すことで孤独を紛らわし日々の生活を過ごしていた。

契約満了まで残りあと2週間、いつものように資源回収に出かけたサムは不注意から事故を起こしてしまう。

基地の診療室で目を覚ました彼は、誰もいないはずの基地内で自分にそっくりの人間を見かけるのだが、、、

 

 

 

 

moon-surface_convert_20151129203507ジオラマで作られた月の風景
職人技

 

誰もいな採掘施設
一人ぼっちで作業を続けるサム

 

 

 

 

自分に優しくできますか?

とりあえずですが、SFを背景にしたサスペンスとかミステリーの映画だと思っていましたが、実際は全然異なります。

むしろ架空の世界で、非人道的な巨悪企業を相手に闘う社会派ドキュメンタリーやドラマといった方が近いかもしれません。

 

月や宇宙空間という閉鎖的な世界。

クローンの存在。

どこか信用ならない人工知能。

そして通信機の故障で途絶えた交信など、話の流れはあくまでサスペンス風。

というかまんまエイリアン」なノリですが、いざ観てみると思いきりな肩すかしをくらいます。

 

特に、劇中で描かれる人工知能の存在が秀逸で、良くも悪くも先入観を裏切ります。

言葉に抑揚が無く感情というものをまるで感じさせない冷たい機械なんですが、、コイツがまさかの超いいヤツなんですな。

この手の映画になぞらえれば、普通は人工知能ってラスボスですよね?

プログラムだからと言えばそれまでの話ですが、企業の利益よりもクローンの安否を案ずるこの人工知能の存在は本当に涙を誘います。
(つД`)ノ

 

 

そして主演のサム・ロックウェルの演技も非常に素晴らしい。

1人2役を演じながらもクローン同士の微妙な個体差を感じさせるような、面白く深みのある演技でグイグイ引っ張って行きます。

最初は戸惑いと短気な性格が災いして衝突するクローン1号と2号が手を取り合い協力する姿や、寿命を迎えた1号を優しく看取る姿はすごく優しくて、メチャメチャ泣けます。

ぜひとも観てほしいシーンです。

 

最近よくあるCGのクオリティを追求するような作品ではありません、特撮にしては良くできていますがハッキリいって地味です。

でも個人的にはSFという材料を土台に、映画の奥深さを感じられた珍しい映画でもあります。

派手さを強調する作品だらけの昨今で、こういう味のある作品は貴重とも言えますよね。

 




 

 

まとめ

低予算の宿命ゆえに、細かい突っ込みどころやオチなんかは無いわけじゃありません。

でも内容と意味のある面白い映画です、その辺はスルーしてあげるのが映画好きのマナーだと思います。

よくある宇宙ものに飽きた方、予想外の展開がお好きな方は楽しめると思います。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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