大奥


2010年/日本
上映時間:116分
監督:金子文紀
キャスト:二宮和也/柴咲コウ/堀北真希/大倉忠義/中村蒼/玉木宏/阿部サダヲ/和久井映見/佐々木蔵之介/他

 




漫画家・よしながふみ著作「大奥」を原作に、男女逆転した歴史改変SFドラマ。

実際には続編としてTVドラマ化、その後に続編映画が制作されたため、シリーズ第一作と言った方が正しいか。

 

男のロマンである「大奥」の価値観を逆転させ、女性将軍を取り巻く男性たち、そして渦巻く愛憎を描いた作品であり、目の付け所は非常にユニークで面白いものです。

映画を彩る俳優陣もニノをはじめ、関ジャニの大倉、玉木宏、佐々木蔵之介、中村蒼、阿部サダヲと、色とりどりで個性豊かなキャストが印象的。

ジャニオタからおじさん好きまで、満足いく顔ぶれとなっております。

メンズ視点からすれば鳥肌が止まらないようなシーンの連続ですが、(腐)女子からすれば涎の止まらない素敵なシーンの数々ですな。

 

 

 

さっくりあらすじ

江戸幕府三代将軍家光の統治下、「赤面疱瘡」という男性だけがかかる奇病が流行り、男性の数が激減したため世継ぎを生むのが困難になってしまっていた。

そのため武家や名家でも女性が家督を継ぐことになり、特に江戸幕府の大奥では女性将軍のため、健康で武術に優れた男性を全国から集めていた。

旗本とは名ばかりの武士である水野祐之進は子供のいない女性に子種を提供する奇特な男であり、また彼を想う女性もいたものの、傾く家を再び豊かにするために大奥に上がることを決意するのだが、、、

 

 

 

徳川吉宗
公平で頭脳明晰

 

大奥に馴染めずにいたものの、
将軍に目を付けられる祐之進

 

ムッハー!!(鼻息)

 

 

 

生々しいリアリティ

女性が働ける社会なんてスローガンが世に出て久しいものですが、言うてもまだまだ男尊女卑の名残が見え隠れするのが現代社会。

そんな前提を根っこから覆し、あらゆる方面で男女逆転させるシュミレーションとして非常にユニークで良く出来ているように思います。

 

社会で働くのは当然女性が中心であり、数少ない貴重なメンズは婿入りして子種を授けることに価値があるわけです。

数が少ないほど希少性が生まれるのが自然の摂理なわけで、「ほう、メンズが少ないとこうなるのか」という妙な説得力を感じます。

 

いつだったか「女は子供を産む機械」という吐き気がするような馬鹿げた発言をした政治家がいましたが、「男は子種を出す機械」とか言われちゃった日にはもう、、つらいね。

女性蔑視の究極発言なのは間違いないですが、立場を入れ替えれば馬鹿げた言葉がいかに人を傷つけるのかを学ぶ良い機会でもありますな。

 

 

話の流れとしては貧乏侍が商人の娘との絆を捨て、武家を守るために大奥入りして奮闘するといった物語。

まぁ大層な前置きは置いといて、ここから皆様お待ちかねの男の園が始まります。

 

当たり前ですが将軍は一人しかいないわけで、当然相手にされなくてくすぶってるメンズがワラワラいるわけで。

初っ端から新人の祐之進に絡むシーンがもう、、、おぇぇぇ。

 

妙なリアルさというか臨場感というか、、そこに気合入れるんかいとツッコみたくなるようなシーンであり、おっぱいタッチを繰り返す女子達が逆転するとこうも嫌悪感を抱くものかと。

同性愛者やバイセクシャルの方には申し訳ないですが、こりゃ筆者的にはNGっす。

 

 

その後も性的な話は置いといて、女子高のようなノリで生活を送るメンズ達。

みんな男なのか乙女なのか、侍なのか女中なのか、どうにも判断しづらい展開の数々です。

 

とはいえ、映画としてはこれがまた面白い。

男女逆転する違和感に目を奪われがちですが、起承転結が非常にスムーズで良く練られており、性別に関わらず権力にしがみつく人間の権謀術数が良く描かれています。

より強い権力を手にするための駆け引きや腹黒さなど、脚本としての土台はしっかりしている印象です。

 

どの役者も良い味を出していますが、個人的には柴咲コウ演じる将軍様がとにかく素敵。

THE将軍様と言わんばかりに凛々しく清廉潔白な存在であり、大奥にも贅沢にも興味を示さず、圧倒的な権威の奥に感じる”優しさ”と”女性らしさ”にもう、おじさんキュンキュンです(キモい)

祐之進に対しての憐れみか、それとも女性としての恋心か、心の奥を全く見せてくれない鉄壁な仮面がとにかく素敵です。

 

ただ物語の設定上で仕方ないところなんだけど、将軍様の初夜の相手(将軍様を傷つけることになる、意味分かるね?)を務めると自動的に死罪になるというのもユニークな発想だけど生々しい。。

かなりオブラートに包んではあるものの、ここまで下ネタを全面に押し出す作品も珍しいですね。

 




 

まとめ

とにかくユニークな設定と世界観が面白く、詳細まで練った内容と凝った演出で魅せてくれる良作です。

豪華なキャスティングに加え、それを彩る鮮やかな衣装もまた素晴らしく、きらびやかな登場人物を眺めるだけでもそれなりに楽しめるのではと思います。

先述したように、とにかくゲイ風味な演出がチラホラ出てきますので、それなりの準備をしないと鳥肌が立ちます(汗)

それも踏まえた上で楽しめる作品ではありますが。

 

歴史改変ものではあるものの、時代劇としては完成度の高い映画かなと思います。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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