オーシャンズ8


(原題:Ocean’s Eight)
2018年/アメリカ
上映時間:110分
監督:ゲイリー・ロス
キャスト:サンドラ・ブロック/ケイト・ブランシェット/アン・ハサウェイ/ミンディ・カリング/サラ・ポールソン/オークワフィナ/リアーナ/他

 




 

名俳優が終結し、大成功を収めた「オーシャンズ」シリーズの続編&リブートとなるクライム・コメディ。

今回はキャストがガラッと変わり主要人物は全員女性と、まさに今風なテコ入れとなっております。

 

その内容も豪華絢爛、サンドラ・ブロックをはじめケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、サラ・ポールソン、さらにはヘレナ・ボナム=カーターにリアーナにダコタ・ファニングと。

もう大盤振る舞いが過ぎるほどに贅沢な女優の目白押しであり、またコメディエンヌのミンディ・カリングやミュージシャンのオークワフィナなど、脇を固めるキャストも実に個性的。

キャストの豪華さに負けない、面白い仕上がりとなっております。

 

 

 

さっくりあらすじ

伝説の窃盗犯ダニー・オーシャンの妹であるデビーは5年8カ月の刑期の末に仮出所となるが、服役中に練った強盗計画を実践するため、相棒のルーの元へと向かった。

ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されるファッションの祭典「メットガラ」でカルティエが誇るダイヤのネックレス”トゥーサン”を手に入れるため、2人は早速仲間を集める。

ファッションデザイナー、ジュエリー職人、天才ハッカー、スリ師、盗品のバイヤーなど7人の仲間が集まり、いざ計画に臨むのだが、、、

 

 

 

 

デビー・オーシャン
容赦なくバンバン盗む

 

狙いはダイヤのネックレス
あと数々の宝石

 

セキュリティの網を潜るため
緻密に計画を練るが、、

 

 

 

 

見事な方向転換

既存のシリーズとは180度異なり、主要登場人物が全員女性ということで、男尊女卑をひっくり返す昨今の価値観に合わせたであろう本作。

その狙い通り、全く違和感を感じさせることなく、脚本的な無理もなく、至って普通に面白い作品に仕上がっております。

こういった極端な方向転換には無理が生じやすく、結果的に退屈な作品になってしまうことが多い中で、これだけ完成度を高められるあたりにはゲイリー・ロス監督のセンスが光っています。

 

ましてこれほどに豪華なキャストを揃え、主役級の女優を喧嘩させることもなく、適材適所なキャラクターを作り上げたことにも感嘆とします。

それぞれに相応しい役を与え、また演者もそれに相応しい演技で答え、結果として生まれる濃ゆいキャラクターの化学反応は実に愉快で面白く、魅力的なものでもあるんですな。

言ってみれば全員が「不二子ちゃーん」なわけですからね、その中で個性を発揮させるというのは難しかったであろうことは容易に想像できるでしょう。

 

 

物語としては、デビーの窃盗計画に伴う仲間集めと、その裏にある真の狙いが描かれます。

もう言い始めたらキリが無いんですが、やはり各女優達の個性と演技力が実に印象的。

 

サンドラ・ブロック演じるデビーは兄と同じで生粋の泥棒といった感じ。

もう出所後から遠慮なく盗む盗む、あまりに鮮やかな手口過ぎて真似したくなる憧れすら感じるほどです。

そんな天才窃盗犯の彼女が何故に服役することになったのか、それが物語の中心となります。

 

デビーの相棒を演じるケイト・ブランシェットは実に男前。

ヘアスタイルもファッションも、うっすらと感じる人生論までとにかくカッコいいんですわ。

スマートでクール、個人的には最も魅力を感じるイケメンなキャラクターでした。

 

そしておバカな女優を演じるアン・ハサウェイも卓越した演技力。

美人だけど自己愛が強く、お花畑な脳味噌まで完備するステレオタイプな白人女優を演じていますが、あまりにも自然すぎて本当にそう見えてくるんですよね。

知的な役も悲壮感漂う役も、そしておバカなセレブも、どれを取っても素に見える演技力は本当に素晴らしい。

 

他にもヘレナ・ボナム=カーターも、ミンディ・カリングも、サラ・ポールソンも良い味を出していますし、ろくに演技経験が無いであろうリアーナもオークワフィナも良い意味でノビノビと持ち味を発揮しています。

ついでに過去シリーズからも思わぬゲストが登場しますし、ファンは思わずニヤリとすることでしょう。

 

 

ただし、総合的な映画の評価としてはやや急ぎ足な印象で、各キャラクターの能力が群を抜いていてスリル感には若干乏しい気もします。

良く言えばテンポ良くスムーズに、悪く言えばこれといった山場が無く、この辺りは評価が分かれるところかもしれません。

 




 

 

まとめ

過去作に比べればどう転んでも賛否が分かれるのでしょうが、個人的にはかなり面白かったと思います。

個性豊かな女性たちは魅力的でユニークですし、やっぱり”盗む”というドラマにはロマンがありますしね。

男性中心とか女性中心とかは抜きにして、シンプルにクライム・ドラマとしては良作なんじゃないですかね。

 

あまり直接的な繋がりは無いですけど、先述したゲストキャラクターもいますし、できれば過去作を観てからの方が楽しめると思います。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。


 

 



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