(原題:Along Came Polly)
2004年/アメリカ
上映時間:90分
監督/脚本:ジョン・ハンバーグ
キャスト:ベン・ステイラー/ジェニファー・アニストン/フィリップ・シーモア・ホフマン/デブラ・メッシング/アレック・ボールドウィン/ハンク・アザリア/ブライアン・ブラウン/マシ・オカ
この邦題ってぇのは誰が決めるもんなんすかね?
いや、どうせ配給会社なんだろうけどね、うん。
Along came ○○っていわゆる倒置法で「○○が来たよ!」的な意味合いになります。
この映画の場合は「ポリーが来たぞ」と。
ポリーmy loveて昭和の歌謡曲じゃないんだからさ。
映画愛を感じないというか、いまいちセンスを疑います。
で、こちらの映画ですが、筆者の好きな映画の例に漏れず劇場未公開のビデオスルー作品でございます。
「メリーに首ったけ」「ミートザペアレンツ」そして「ナイトミュージアム」と、日本でもウケの良いヒットメーカーである俳優ベン・ステイラー。
そんな彼のお家芸ともいえる超真面目な堅物→はっちゃけた変人への変化を楽しむ王道ラブコメディです。
ヒロイン役のジェニファー・アニストンはアメリカの人気ドラマ「フレンズ」で大ブレイク。
男性のブリーフ姿をこよなく愛するという性癖を持ちながらも可愛らしく色っぽく、そしてめっちゃくちゃ稼いでる女優さんとして有名な方です。
さっくりあらすじ
ルーベンは保険会社のリスク査定部門で優秀な成績を収めているが、仕事柄か何事にも慎重な性格であり、また極度の潔癖症でもあった。
愛するリサとの結婚式を終え、新婚旅行先で花嫁をもてなそうと準備するルーベン。
しかしスキューバダイビングをしているはずの花嫁はインストラクターと浮気の真っ最中、それを目撃したルーベンは深く傷つき、一人で新居に住み始める。
気を使った親友のサンディにパーティーに連れて行かれたルーベンだったが、偶然にも中学の同級生だったポリーと再会する。
自分とは正反対の、自由で奔放な生活を送るポリーに惹かれたルーベンは、慎重すぎる自分を変えるためにポリーと交際し始めるのだが、、、
ベン・ステイラーの得意技
はっちゃけた真面目な男
奔放な女性像がよく似合う
ジェニファー・アニストン
フィリップ・シーモア・ホフマン
個人的に憧れる俳優
ベン・ステイラー作品にハズレ無し!!
(異論は認めます)
「良く考えなさい」と大人は言うもんですが、よくよく考えた末に間違えることがあるのが人生ってもんです。
保険会社の社員として、顧客のリスクを数字的に査定するのがルーベンの仕事であり、彼の人生における信念なわけです。
しかし、その信念が新婚旅行のせいで粉々に散ってしまったことで状況は一変。
初めて世の中のこと、特に愛情は数字で割り切れるものではないと彼は痛感させられます。
数学的にリスクを避ける人生を送ってきた彼が、手放しで道を歩くのには勇気と時間がいるわけですな。
対照的にポリーは天真爛漫、自由気ままに生きる女性。
仕事も遊びも、ついでに男もコロコロ変わる掴みどころのない女性です。
実際ね、たまーにこういうタイプの女性いますよね。
一つのところに留まれないというか、「私は誰のものでもないわー」みたいなことを真顔で言っちゃう人。
筆者も以前この手の女性で痛い目にあったものですが
今日は今日。
明日は明日。
どこ吹く風で生きる人は時として魅力的に見えるものであり、これからの時代はこういった女性も増えるかもしれませんね。
あとは今は亡き、フィリップ・シーモア・ホフマンがぶっとんでて面白いです。
根本的にズレてはいるものの、落ち込んでいるルーベンを励ましたり、アドバイスを送ったりとマイペースなムードメーカーです。
しかし彼なりの葛藤というか、人並みの苦悩を抱えるという、地味に深みのある親友の役を上手く演じています。
「ビッグリボウスキ」の時あたりから(勝手に)目をかけていたのですが、本当に演技派の俳優だっただけに残念でなりません。
物語としては新妻に浮気され傷心気味な男性が、自由に生きる幼馴染に恋をするといったもの。
大人が不器用な恋をするのも笑えるものですが、序盤の新妻の浮気シーンだけ少々生々しいのでご注意ください。
まとめ
時として自由に生きることを選択した人は眩しく、羨ましく感じるものです。
でもね、自由も不自由も相対的なだけで価値は同じです。
この映画の場合は「結婚」ですが、結婚は決して不自由ではないですよ。
幸せの価値観は本当に人それぞれですが、誰かのものになっても、自由奔放に暮らせなくなっても心配はいりません。
それも幸せの形ですから。
堅物のルーベンの心境が、どういった変化を見せるのか。
根無し草のポリーの気持ちを、どうやって変えていくのか。
自由人なあの娘を口説き落とす参考になるかもしれません。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。