ネイビー・シールズ ナチスの金塊を奪還せよ!


(原題:Renegades)
2017年/フランス・ドイツ
上映時間:105分
監督:スティーヴン・クォーレ
キャスト:サリバン・ステイプルトン/チャーリー・ビューリー/シルヴィア・フークス/ジョシュア・ヘンリー/ディアミッド・マルタ/他

 




 

型破りなネイビー・シールズ隊員が、隠されたナチスの金塊を狙うアドベンチャー風味なアクション。

巨匠リュック・ベッソンの脚本・製作を務め、これまた巨匠のジェームズ・キャメロンの元で製作を学んだスティーヴン・クォーレが監督を務めます

 

こんなB級臭が漂う作品でありながらも、主要キャストの面々は実際に元シールズ隊員による数週間に及ぶ訓練を受けたそうな。

内容はともあれ、CGに頼らずヘリや戦車を用いた迫力ある映像は一見の価値ありです。

 

 

 

さっくりあらすじ

1995年、紛争末期のサラエボにて。

強引で大胆な作戦を実行し、戦車で暴走したネイビー・シールズの隊員にレヴィン少将は手を焼いていた。

そんなある日、メンバーの一人が付き合うウェイトレスの話で、3億ドルにも及ぶナチスの金塊が湖の底に眠っていることを知る。

戦争に苦しむ避難民を救うために、己の私腹を肥やすために、わずか8時間で27トンの金塊を運ぼうと計画するのだが、、、

 

 

 

 

オープニングからエンジン全開
ダイナミックな映像は面白い

 

型破りなシールズ隊員
やる時はやる

 

彼らの上官であり、鬼教官
でも公平公正な常識人

 

 

 

 

小粒な大作映画

とでも言いましょうか、場合によっては(予算があれば)かなりの大作映画にもなり得たであろうポテンシャルを感じます。

コレはコレで良くまとまっており、普通に面白い映画として完成されていますが、その上でかなりの伸びしろを感じさせるもったいなさも拭えません。

戦争ものでありながら宝探しを織り交ぜた物語として、ドキドキワクワクのエンタメ性は評価すべきところです。

 

舞台はボスニア・ヘルツェゴヴィナの紛争中の地域。

平和維持活動の一環として派遣されたネイビー・シールズが、敵軍を率いる将軍を誘拐しようとするところから物語が始まります。

練られているようで全く練られていない行き当たりばったりな作戦を描くことで、彼らがいかに優秀で粘り強いのかを演出するわけですな。

 

敵軍のど真ん中に潜入し、銃弾の嵐に晒されながらも斜め上な実行力で逃げ切るわけですが、これがもう面白い。

超展開と大迫力な映像による戦いは目を見張るものがありますが、この序盤の掴みが最大の見せ場になってしまったのが悲しいところ。

やはり予算の限界がチラホラと見え隠れしちゃいますな。

 

ただし、隠密作戦のはずがバレバレになり、血圧全開で怒鳴り散らすJ・K・シモンズはとっても素敵。

こういった役をやらせたら世界一じゃないですかね?彼以上にしっくりくる役者はいないのではと本気で思いますよ。

すぐ怒る割には労いの言葉を忘れず、終盤の判断も相まって上司の鏡のようなお方です。

どことなく「あぶない刑事」を髣髴とさせるような、伝統的な様式美とも言える上官の怒りはどこの国でも安定感のある笑いですね。

 

 

物語としては、こういった型破りではぐれ者風なシールズ隊員たちが、ひょんなことから金塊の噂を聞いたことで動き出します。

何故に金塊が存在するのか?

それをどうやって回収するのか?

お金の使い道はどうするのか?

中盤以降はこういった流れが中心になりますが、ここから何でかドラマ風な味付けになってしまい、エンタメ性もトーンダウン。

 

ないがしろにして良いとまでは言わないまでも、もう少し娯楽性に走った方がおバカ映画としては正しい判断だったのではないかなと。

何せ「無敵のネイビー・シールズ!!」って感じが前面に出てる作品ですしね、最後まで貫いて欲しかったかなと。

内容が面白いだけに余計に気になるマイナスポイントですな。

 




 

 

まとめ

B級映画の域は出ないにしろ、ボスニア紛争の背景もあり、それなりに勉強になる部分もあります。

平和な日本で生まれ育つと戦争がもたらす被害や遺恨が分かりづらいものですが、それでも現実にリアルに起きていた社会背景は知って損は無いでしょう。

まぁ、この手の映画をマジで観ることもないでしょうが、それを踏まえた上でも明るく楽しく、歴史を学ぶ機会だと思えば良い映画だと思います。

 

単純明快で分かりやすく、エンタメ性に富んだ娯楽映画としてそこそこオススメです。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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