フッド:ザ・ビギニング


(原題:Robin Hood)
2018年/アメリカ
上映時間:116分
監督:オットー・バサースト
キャスト:タロン・エガートン/ジェイミー・フォックス/ベン・メンデルソーン/イヴ・ヒューソン/ジェイミー・ドーナン/他

 




 

中世イングランドの伝説の人物”ロビン・フッド”の誕生を描くアクション映画。

製作にはレオナルド・ディカプリオが名を連ねております。

 

これまでも何度か映画化はされてきたと思いますが、ヨーロッパでは人気あるんすかね。

元は吟遊詩人によって伝えられた、数人のモデルとなった人物が組み合わさった創作上の人物とされているようで、共通して「弓の名手×義賊」というキャラクター性を持つようです。

日本でいう鼠小僧とか石川五右衛門に近い存在だと思われますが、いつの時代も反体制的で庶民の味方となる英雄は人気があるものなんでしょう。

 

 

 

 

さっくりあらすじ

若き領主のロビンは美しい女性・マリアンと出会い幸せに暮らしていたが、十字軍に徴兵され戦場へと送られることになる。

4年が経ち、捉えた捕虜を無慈悲に殺していく仲間の姿に嫌気が差し反乱を起こすも弓で撃たれ、負傷兵としてイギリスに帰された。

しかし州長官により自分は2年前に戦死したことになっており、領地も財産も没収され屋敷は廃墟と化していた。

マリアンもまた新たな人生を歩んでおり、絶望したロビンの元に敵だったジョンが現れ「手を組もう」と申し出るのだが、、、

 

 

 

 

全てを失ったロビン
ジョンと共に政府の転覆を目指す

 

対するは州長官
軍事力を盾に重税を課す

 

弓を用いるアクションは迫力満点
スピーディーで面白い

 

 

 

 

弓って強い

大体ね、ファンタジー・アクションの武器と言えば剣が中心で、その脇を槍とか斧が固めるのが一般的なイメージでしょうし、弓や弩というのは後方支援に回るキャラの武器ですよね。

近代ファンタジーではあまり見かけなかった「弓」という武器にフォーカスし、目まぐるしくも迫力溢れるアクション演出は中々のものですよ。

今更ながら、アクロバティックなスタントと弓の相性の良さが印象的で、結果としてスタイリッシュで洗練されたアクション・カテゴリーとして完成していると思います。

 

 

そんな弓使い=ロビン・フッドを演じるタロン・エガートンですが、これがまた素晴らしい演技を披露してくれます。

元々「キングスマン」でオシャレなアクション経験はありますし、近年は「ロケットマン」など、個性的な演技を必要とされる映画にも抜擢されてるしね。

深みのある演技や、飛び跳ねるアクションの下地は得ているのでしょうし、その期待に応える努力が十分に見て取れます。

 

そもそも小柄で筋肉質で、身軽そうな出で立ちがロビン・フッドに適しているというか、レザージャケットにフード&マスクが似合ってるんですよね。

かつては敵同士だったジョンと手を組み、弓の訓練をするかと思えば、すっごいアナログな筋トレからスタートというのも個人的にツボ。

そりゃね、腕力が無いと弓も打てないもんね。

 

そして、そんな彼が百発百中の弓裁きで魅せてくれるわけですが、この辺りは「スゴ腕狙撃手」とも通ずる魅力があるわけでして、男のロマンが垣間見えます(意味不明)

軽快な動きで敵を翻弄し、アクロバティックな弓使いで敵をバッタバタと倒していく様は最高にクールで、改めて弓の魅力を見直す機会にもなるでしょう。

 

で、バディとなるジョンを演じるジェイミー・フォックスもまた素敵。

10年前くらいから老化がストップしているというか、ビジュアル的に全く老け込む感じを見せず、なおかつ老練な師匠役を演じると言う懐の深さは流石の一言です。

本作では死にそうで死なない、ギリギリの線を走り続ける印象的なキャラクターでもあり、ロビンと並んで第2の主人公と言っても差し支えないでしょう。

 

 

やや不満だったのはヒロインポジションのマリアンの立ち位置。

物語としては生きてても死んでてもあまり影響は無かったと思いますが、生かしてしまったことで無駄なロマンスが入り込む余地が生まれてしまうんですな。

そりゃ元旦那が生きてたら心が揺れ動くのも仕方ないとして、現在の彼氏をおざなりにしてフラフラとヨリを戻そうとする姿があんまり納得いかなくてね。

 

結果として今の彼氏の性格を捻じ曲げる(マリアンが嫌がる部分を作る)必要が出てくるわけで、エンディングまで考慮すると善良なイケメンだった方がインパクトがあったなぁと。

歴史上に残る伝説の物語だし、ここはもう少し硬派なロビンで良かったかなと思います。

 

 




 

 

まとめ

終わってみれば物語としては印象に残るものはなく、ただ弓が恰好良かっただけの映画ですね。

アクション性は十分な見応えがありますし、タロン・エガートンとジェイミー・フォックスが織りなす演技も面白いものです。

しかし既視感のある脚本と、予想通りの展開はやや退屈なものだと言えますし、ポップコーン・ムービーの域は出ていないと思います。

 

テンポ良く、軽いノリで観る分には十分面白い映画です。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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