スリープレス・ナイト


(原題:Sleepless)
2017年/アメリカ
上映時間:95分
監督:バラン・ボー・オダー
キャスト:ジェイミー・フォックス/ミシェル・モナハン/スクート・マクネイリー/ダーモット・マローニー/ティップ・ハリス/他

 




 

ラスベガスを舞台に、汚職警官、内務調査官、麻薬組織と、それぞれの因縁を描いたクライム・サスペンス。

2011に公開されたフランス映画のリメイクだそうです。

誠実な紳士から凶悪犯罪者まで、幅広く演じ切る名俳優ジェイミー・フォックスが主演を務めます。

 

警察の汚職とか潜入捜査とか、不謹慎ではありますが面白いテーマのひとつですよね。

まして舞台となるのがマフィアの街・ラスベガスですからね、緊張感とロマンが溢れるなかなかの秀作だと思います。

 

 

 

さっくりあらすじ

ラスベガス市警のヴィンセントとショーンはギャングから25キロものコカインを強奪し、犯行を隠すために自ら捜査班に加わった。

しかし2人は内務省から派遣されたエージェントに事件への関与を疑われ、さらにギャングからも目をつけられてしまう。

家族と疎遠になっていたヴィンセントは、息子の送迎中にギャングの襲撃を受け重傷を負い、息子を誘拐されてしまう。

息子の命と引き換えに盗んだコカインを返すよう要求されたヴィンセントは、止むに止まれずコカインを運び取引に応じるのだが、、、

 

 

 

 

平気でギャングを襲う警官2人
見た感じは超悪党

 

しかし組織に目をつけられ
息子を誘拐されてしまう

 

父と疎遠気味な息子
ワケも分からず拉致される

 

 

 

 

窮地

ヤバいことに手を出し私腹を肥やす悪徳警官が司法やギャングから狙われつつも、愛する息子のために命懸けで救出に向かうお話です。

25キロものコカインを巡り、主人公&内務調査官&マフィアが三つ巴となるサスペンスですが、この古典的ながらも古臭さを感じない脚本は素晴らしいですね。

さらに汚職を疑う内務調査官にも監視され、良くて逮捕、最悪殺されるというピンチの連続と。

 

「行くも地獄、戻るも地獄」を地で行くように、誰にも頼れず、また誰にも察せられないように綱渡りを続ける主人公・ヴィンセント。

さらに巨大カジノを舞台に、取引上の時間制限まで設けられ、どう見ても無理ゲーなピンチの重奏は非常に良く出来ているのではないでしょうか。

この”ヤバい状況”がリアルというか生々しいというか、関わってはいけない人達に目をつけられた緊張感は秀逸です。

 

ついでに誰が汚職に走り、誰が味方でいてくれるのかのボカし具合も絶妙で、微妙にスッキリと終わらない余韻も個人的には好きです。

普通に観てればすぐに黒幕は判明するでしょうが、窮地を脱するためにに嘘を重ねるヴィンセントの言い分が良いアクセントとなり、単純な物語を複雑な味付けに変えています。

このあたりの演出は地味ながらも上手いなーと。

 

 

ジェイミー・フォックスの卓越した演技力は言わずもがな、今回はそれなりなアクションも披露してくれます。

恐らくは1番の(アクション的な)見所だと言える調理場でのファイトは意外と見応え十分、大男とのステゴロはなかなかの迫力です。

訓練された動きで敵を牽制しつつも力では敵わず、手に触れるもの全てを利用してぶっ飛ばしにいくパパの姿はカッコ良いですね。

実際にこんな場面に出くわしたら息子を逃がすは良いとして、泣きながら必死にしがみつく位しかできなさそうだなーと。

自分のひ弱さを鑑みて、改めて体を鍛えようかと良い刺激になりました。

 

繰り返しになりますが、本作を魅力的に昇華させているのが、やはりジェイミー・フォックスの存在感。

演技力もさることながら、汚職警官としての”ちょうど良さ”が絶妙なんですな。

悪そうで厳つい雰囲気ではありますが、それでも超人的な戦闘力を誇るわけでもなく、なおかつ優しそうなつぶらな瞳のバランスが完璧ですね。

重症を負いながらも体に鞭を打ち、避けられない戦いにヒーヒー言いながら臨むダーク・ヒーローの姿は結構斬新だったように思います。

 




 

 

まとめ

それなりのサスペンス性、そこそこのアクション性、そしてかなりの焦燥感と、トータルで観れば面白い作品だと思います。

わりと濃ゆい内容でありながらスピーディーでテンポ良く、わずか95分で収束する編集も見事です。

スパっと面白いサスペンス・アクションとしてはオススメできるかな。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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