スパイダーマン:スパイダーバース


(原題)
Spider-Man
Into the Spider-Verse

2018年/アメリカ
上映時間:117分
監督:
ボブ・ペルシケッティ
ピーター・ラムジー
ロドニー・ロスマン
キャスト:シャメイク・ムーア/ジェイク・ジョンソン/ヘイリー・スタインフェルド/ニコラス・ケイジ/クリス・パイン/他

 




 

みんな大好きスパイダーマンの初となるCGアニメーション作品。

 

予告を観た時は何だか良く分からず、最近のピーター・パーカー(=トム・ホランド)のイメージとも異なる雰囲気のため、劇場見送りしていた作品です。

で、いざ観てみた結果大きな後悔に襲われているところですが、コレがまぁ面白いのなんの。

予想通り「アベンジャーズ」系列のスパイディとはかけ離れた内容ではあるものの、予想を遥かに上回るエンタメ性は相当なものです。

 

目が覚めるほどに美しく描かれる映像美も実に素晴らしく、マーベル好きなら観て損の無い映画だと断言できます。

 

 

 

さっくりあらすじ

ブルックリンに住む高校生・マイルスは通っている高校に馴染むことができず、時折抜け出しては叔父のアーロンの元を訪れ、グラフティ・アートに興じている。

ある日にアーロンに連れられた高架下でクモに噛まれ特殊能力を得たマイルスだったが、キングピン率いる集団による、異次元の扉を開く実験に遭遇する。

そこに現れたスパイダーマン(ピーター・パーカー)が実験を阻止するために奮闘するが及ばず、阻止するための鍵となるメモリースティックをマイルスに託し死亡してしまった。

スパイダーマンの意思を継ぎ、新たなスパイダーマンになろうと訓練を始めるマイルスの元に、異次元からやって来たピーターが現れるのだが、、、

 

 

 

 

地元を離れ寮暮らしのマイルス
学校に馴染めず孤立気味

 

偶然出会ったスパイダーマン
孤軍奮闘も空しく死んでしまう

 

異次元からやって来たスパイダーマン
何か色々と違う

 

 

 

 

 

実写を超える躍動感

色々と素晴らしい作品ではあるものの、まず目につくのが秀逸な映像表現。

まさにアメリカン・コミックの表現をそのままに、色鮮やかで美しい映像に落とし込んだ手腕には感嘆とするばかりですよ。

最初こそ馴れない作風に違和感を感じておりましたが、10分も観てれば全く気にならず、むしろ独創性溢れる表現にのめり込んでいくばかり。

最終的に180人ものクリエイターが参加したそうですが、手書き風なキャラクターが生み出す「動くコミック」感は本当に素晴らしく、映像革命と言っても過言ではないと思います。

 

スーパーパワーを得た少年が心の葛藤を超え、仲間との絆を得て成長していく王道の物語性もまた実に素晴らしいもの。

脚本的にも構成的にも非常に丁寧な作りとなっており、映像の緻密さに負けない厚みのある展開となっております。

どのエピソードも内容深く、テンポ良く、終始飽きることなく観れることでしょう。

 

 

「大いなる力には大いなる責任が伴う」という、もはやシリーズの代名詞とも言えるメッセージですが、それに加え本作では”世代交代”がメインテーマと言って良いでしょう。

何の変哲も無い高校生・マイルスが突如としてスパイダーマン=ピーター・パーカーの意思を継ぐことになり、マイルスなりの正義漢で頑張っても現実は遠く及ばず。

亡きピーターとの約束を胸に決起はするものの、使いこなせない特殊能力に辟易し、葛藤し。

悪を討つ正義の味方となるには、あらゆる面での未熟さが描かれます。

 

そんなマイルスを導くのが異次元のスパイダーマン=異なる世界のピーター・パーカーであり、時に熱く、時に笑える掛け合いの数々は極めて魅力的。

異次元のピーターは同じスーパーパワーこそ備えてはいるものの、その生い立ちや経歴は全く異なるものであり、当然キャラクター性も別人と言って良いほどにかけ離れています。

マイルスを含め、観ている我々の誰もが知っているスパイディとは異なる、違ったスパイディの魅力が満載です。

 

そして中盤以降は予想の斜め上を行くオールスターが登場し、画面狭しとコミカルに魅せてくれます。

またヴィランもキングピンを始め、個性が際立っている印象。

主役級のキャラとその他での格差が大きく、もう少し全体的に掘り下げてほしかったような気もしますが、これは贅沢な注文ですかね。

というか本当に面白かったから、できれば同じクォリティでドラマ化して欲しいっす。

 

 




 

 

まとめ

多少の差異はあれど、概ね既存のスパイダーマンと同じような流れで構成された本作。

もうテンプレと言っても良いような王道の物語ではありますが、また違う角度、また違う表現で描かれたマイルスの姿は本家に全く引けを取っていません。

 

ユニークで想像力豊かな映像表現。

使い古された設定が気にならない練りこまれた演出。

製作者一人ひとりの熱意が十二分に伝わる傑作ですよ。

 

コレはオススメですね。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 



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