スパイダーマン

spider-man-2002-poster
(原題:Spider-Man)
2002年/アメリカ
上映時間:121分
監督:サム・ライミ
キャスト:トビー・マグワイア/ウィレム・デフォー/キルスティン・ダンスト/ジェームズ・フランコ/クリフ・ロバートソン/ローズマリー・ハリス/J・K・シモンズ/ビル・ナン/エリザベス・バンクス/他

 




 

4月29日公開の「シビル・ウォー」にスパイディが参戦するということで、気合を入れてスパイディ週間を始めます。

 

2000年公開の「X-Men」のような本格的なアメコミ映画が世界中でヒットを記録し、アメコミシリーズの代表作として、満を持して公開されたシリーズの記念すべき一作目。

「スーパーパワーを手にした人間の苦悩」というプロットは現在でも多数の映画で見かけるものとなり、ヒーローものはウケが悪いと言われていた日本でも記録的な大ヒットとなりました。

 

ホラー映画の名作「死霊のはらわた」で有名なサム・ライミですが、ヒーローもの製作の面でも抜きん出た才能を発揮しております。

 

 

 

さっくりあらすじ

地味で貧弱、気弱な高校生のピーター・パーカーは隣人のメリー・ジェーンに儚い想いを寄せ、平凡ながらも平和な日々を過ごしていた。

ある日、大学のラボを見学中に遺伝子改造された蜘蛛に手を噛まれ昏倒、目を覚ますと強靭な肉体と蜘蛛の糸を出す特殊能力が身についていた。

身体を張ったショーパフォーマンスで金儲けを企むピーターだったが、傲慢な判断が原因で愛する叔父が強盗に殺されてしまう。

自分自身への怒りと悲しみに暮れるピーター、そして自分の力は人助けのために使うため「スパイダーマン」として悪と戦うことを決意するのだが、、、

 

 

 

 

 

spider-man-2002-movie-02カラフルな蜘蛛に噛まれた瞬間
痛そう。。

 

Spider-Man Image StillM・Jを暴漢から救い、逆さ吊りでキス
シリーズ最大の名シーン

 

Spider-man-2002-2心を闇に乗っ取られてしまった
グリーン・ゴブリン

 

 

 

 

思い悩む「一般人」

主人公ピーターは本当に普通の男の子、強いて言えばガリ勉で科学オタクでひ弱な青年です。

一人の青年として等身大に描かれ、自身や身の回りで起こることに思い悩む”弱さ”が最大の特徴と言えるでしょう。

 

そんな彼が想いを寄せるM・Jは不仲な両親の元で育ち、女優を夢見ながらもカフェのウェイトレスとして働く日々。

御曹司でありながらもピーターの親友であり続けるハリーは不自由無い生活をしているものの、敬愛している父親からの愛情に飢えている節がある。

そんな風に、どこにでもある日常を切り取ったようなリアリティ。

誰にでも心の枷があるという世界観こそが、ヒットした要因として上がるのでしょう。

 

ですが、本当に素晴らしいのはキャスティング。

貧弱な青年ピーターを演じるトビー・マグワイアは思いっきりハマり役で、これ以上ないくらいの適任に見えます。

スーパーパワーを手にしてからの、引き締まった身体と甘いマスクが好物の女性も多いことでしょう。

 

対して敵役グリーン・ゴブリンを演じるのは、個性派俳優のウィレム・デフォー。

この個性的なヴィジュアルを誇る名脇役の存在が、安っぽくならないアメコミ映画として支えとなっています。

 

そしてヒロインM・Jを演じる、元祖ブサカワことキルスティン・ダンスト。

後にアメコミ系最悪のビッチと呼ばれることになりますが、女優を目指すもなかなか上手くいかない女性として、妙に説得力を感じる素晴らしい演技です。

 

後々のシリーズまで笑いを提供してくれるJ・K・シモンズ。

2014年公開の「セッション」でイカれた音楽教師を演じ、アカデミー助演男優賞を獲得したのも記憶に新しいところですが、それとはうって変わって自己中でコミカルな編集長として存在感を放っています。

 

さらに「アルジャーノンに花束を」でのオスカー俳優クリフ・ロバートソンや、「愛しすぎて」のオスカー助演女優賞のローズマリー・ハリスなど、隅々まで行き渡っている豪華な俳優陣は映画オタクには圧巻の一言です。

 




 

まとめ

初期のアメコミエンターテイメントなだけあって、今観てみるとツッコミどころな展開、演出も少なくはありません。

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という、あまりにもダイレクトなメッセージも個人的にはちょっとなぁと感じましたが、15年近く経過した現在でも十分に楽しめる娯楽映画だと思います。

 

ビルの間を颯爽と飛び回る姿には感銘を覚えましたし、映像の進化にも感慨深いものを感じます。

大人も子供も、”それなり”に楽しめる佳作といったところでしょうか。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 



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