ソードフィッシュ


(原題:Swordfish)
2001年/アメリカ
上映時間:99分
監督:ドミニク・セナ
キャスト:ジョン・トラボルタ/ヒュー・ジャックマン/ハル・ベリー/ドン・チードル/サム・シェパード/ヴィニー・ジョーンズ/他

 




 

 

謎の組織に雇われた天才ハッカーが、国が隠した95億ドルもの強奪作戦に挑むサスペンス・アクション。

古き良きハリウッド映画らしい、大味な陰謀作戦とユニークな強奪作戦を描いた当時の大作映画ですな。

実に600台ものカメラを導入したと言われる印象的な爆発シーンと、惜しみないハル・ベリーの豊満なバストが実に印象的。

一説によると監督のドミニク・セナがギャラを上積みしてまでおっぱいポロリをお願いしたとか言われているそうですが、物語の本筋にあまり関係無い爆発とおっぱいに対し、ここまで予算をつぎ込める気概は買いですな。

 

 

 

 

さっくりあらすじ

アメリカのとある空港で1人の男が検査に引っ掛かり拘束され、その男は有名なハッカーであることが判明する。

捜査官のロバーツが取り調べに当たるも男は何かに怯え続け、雇用主こそが何よりも恐ろしい存在だとだけ告げると、目を離した隙に射殺されてしまった。

かつては最高のハッカーとして名を馳せたスタンリーだが裁判で有罪となり、妻には逃げられ子供に会うことも出来ず、ひっそりとトレーラーハウスで暮らしていた。

そんなスタンリーの元へ素性の怪しい女性が訪れ、破格の報酬がつく強奪計画に参加してほしいと告げるのだが、、、

 

 

 

 

天才ハッカーのスタンリー
巨大な陰謀に巻き込まれる

 

謎の男・ガブリエル
強奪計画の中心人物

 

謎の女・ジンジャー
どんでん返しとおっぱい担当

 

 

 

 

 

改めて見ると

公開当時は度肝を抜かれるようなオープニングがとにかく印象的で、ドキドキハラハラな展開に夢中になったような記憶があります。

しかしあれから10数年、改めて観てみるとツッコミどころの宝庫でもあり、ノリと勢いだけの映画にも感じ取れるわけです。

決してつまらないわけではないんですけどね、冷静に省みると、正直そこまで面白い映画じゃなかったかもなぁと。

 

そう思わせる要因としては、まず脚本の粗さ。

粗いというよりかは無理があると言った方が正確かもしれませんが、とにかく予定調和のオンパレード。

どんな困難なピンチを演出しようが、二転三転する展開の全てが黒幕の計算通りに動き、もはや答えありきの演出にしか見えない偏った演出が多いんですな。

冒頭でトラボルタ演じる悪党が「もし、映画が俺の筋書き通りになったら?」と語るシーンがありますが、それを本当に地で行ってる感じ。

映画はエンターテイメントなので、何でもリアリティを追求すれば良いという訳じゃないにしろ、ちょっと露骨すぎるかなと。

B級映画だと思えばそれもアリなんですけどね、キャストの質を考えるとむしろ勿体ない仕上がりだとも思います。

 

そのキャストですが、謎の男・ガブリエルを演じるトラボルタはさすがの演技力で文句無し。

悪役を演じさせたらゲイリー・オールドマンやマーク・ストロングと肩を並べる演技派ですが、本作でも目が笑ってないけどヘラヘラ、ニヤニヤ、いわゆる「食えない奴」としての存在感が抜群です。

 

対して、一連の事件に巻き込まれたヒュー・ジャックマンはちょっと微妙。

ワイルドなアクションからおセンチなドラマまで、何でも器用に演じ分けるヒュー氏ですが、オタク気質なハッカーだけはしっくりきませんね。

整った顔立ちに、鍛えられた肉体に、漂う知的な雰囲気に、、その全てが役のイメージと合致しておらず、もはやその存在が違和感になっていると言っても良いくらい。

むしろヒュー・ジャックマンですら演じられないものがあるのかと、別の意味で勉強にはなりましたが。

 

そしておっぱい担当のハル・ベリー。

妖艶で色っぽく、どこかミステリアスで魅力的な女性ではありますが、やっぱりポロリ以外の印象は特に残らず(最低)

ついでにいぶし銀な俳優のドン・チードルも扱いが勿体無いというか、優秀な捜査官ポジションな割には優秀さは全く感じず、キャストの無駄遣いですな。

 

エンディングについてはどんでん返しも含め色々と意見はありそうですが、個人的には悪くないかなと。

「毒を以て毒を制す」をそのままに、潤沢な資金をゲットしたトラボルタが意気揚々とテロリスト狩りに励む姿はまさにダークヒーローと言った感じで好みです。

多少の犠牲を鑑みず、イカれた愛国心で大義を成そうとする姿はもはや常識では計れません。

何を考えているのか読めないトラボルタの演技も相まって、本作で得る印象の大半を持っていく魅力的なキャラクターですな。

 

 




 

 

まとめ

派手な演出にチープな脚本に、露骨なミスリードにご都合主義な展開に、どうにも判定しづらい映画ですな。

いち作品として観ればオーソドックスなB級映画だと思いますが、それなりに楽しめるように仕上がっているのは豪華絢爛なキャストのおかげだと言って良いでしょう。

 

休日の昼下がりとかに、だらしない恰好で観たい映画ですな。

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。

 



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