ライリー・ノース-復讐の女神-


(原題:Peppermint)
2018年/アメリカ
上映時間:102分
監督:ピエール・モレル
キャスト:ジェニファー・ガーナー/ジョン・オーティス/ジョン・ギャラガー・Jr/ファン・パブロ・ラバ/アニー・イロンゼ/他

 




 

家族を失った主婦が、復讐の鬼と化す姿を描くアクション映画。

2005年公開「エレクトラ」でゴリゴリのアクションを披露したジェニファー・ガーナーが再びアクションに挑みます。

ちなみに撮影時は46歳、「ジョン・ウィック」のハル・ベリー然り、40代~50代に入った女性がアクションスタントを披露するとは、改めてハリウッドは凄い世界ですな。

ちなみに「新鮮味が無い」とのことで、批評家からは酷評されているそうな。

 

 

 

さっくりあらすじ

娘のカーリーの誕生日に残業を命じられたライリーは急いで帰宅するが、仲の悪い同級生の母がパーティーを開催したせいでカーリーの友達は誰も来ていなかった。

落胆する娘を励ますため夫のクリスと3人で遊園地へと出かけるが、ギャングから金を強奪しようとしたグループの一味だと思われたクリスはギャングの襲撃に遭う。

目の前で夫と娘が撃ち殺されたライリーも銃撃を受け入院するが、ハッキリと犯人の顔を覚えているにも関わらず証言は無効となってしまう。

それに加え、心神喪失状態だと判断され強制入院させられそうになったライリーは咄嗟に逃げ出し、行方を眩ませるのだが、、、

 

 

 

 

愛娘のカーリー
芯が強く、気の優しい良い子

 

目の前で家族を失ったライリー
司法の裁きに裏切られる

 

そして失踪して5年
再び現れた彼女は復讐の鬼と化す

 

 

 

 

 

正義とは

「Avenge=正当性のある復讐(敵討ち)」と「Revenge=個人的な恨みによる復讐」で意味合いが異なる「復讐」のニュアンスですが、ライリーの行動をどう見るかで印象がかなり変わって来る面白い作品だと思います。

一口に「正義」だと謳っても個人個人で差異がある言葉ですし、彼女の気持ちに賛同できるか、はたまた嫌悪感を抱くかで映画としての面白みがガラッと変わりそうです。

 

あるべき正義が捻じ曲げられ、弱者に寄り添う司法が無くなった際に被害者はどうなってしまうのか?またどうあるべきなのか?

ライリー・ノースの取った行動を手放しで称賛することは難しいとは思う者の、彼女の決意と選択には納得してしまうだけの背負った十字架があるのもまた事実。

肯定はできないけど否定もできない、そんな絶妙なバランスの上に成り立つ復讐劇ですな。

 

また、彼女の復讐の仕方が中々にインパクトがあり、彼女の怒りを具現化するが如き処刑方法はシンプルに畏怖を感じます。

雑魚には容赦なく、標的には恐怖を煽るような追い詰め方も然り、果ては見知らぬオヤジにまで牙を剥く姿はマジキチな狂人にすら見えてきますね。

他力本願なか弱き主婦から一転し、報復の為に手段を選ばない精神力を発揮するジェニファー・ガーナーの熱演もあり、相当に印象深いキャラクターだと思います。

 

 

ただし映画としての捻りには乏しく、良くも悪くもストレートな作り。

でも筆者がうっかりミスリードに引っ掛かるくらいの構成にはなっております。

順調に復讐を果たすカタルシスや、追い詰められたライリーが取った起死回生の方法など、それなりにアイデアを発揮した印象です。

 

唯一残念に感じたのは、ライリーが狂人へと変貌する流れをすっぱりとカットしてしまったこと。

映画的なテンポを優先した結果だとは思いますが、至って平凡な主婦がどう体を鍛え、人を殺す精神力を養ったのかまで描いて欲しかったですね。

失踪していた主婦が5年ぶりに戻ってきたら殺人マシーンと変貌を遂げただけに、その空白の5年間をどう過ごしたのかサラっとしか描かれないんですな。

もう少し掘り下げても良いというか、執念でハードなトレーニングをこなす姿なんかはあっても良かったかな。

 

 

 




 

 

まとめ

子を失った親の復讐劇は数あれど、中年女性がガチギレする映画は割と珍しいでしょうか。

「敵を討っても亡くなった人は戻ってこない」というありふれた正論を根っこから覆すような、見方によっては野蛮な作品だと言えるかもしれません。。

しかしこういった映画が生まれ、それなりに興味深いと感じる以上、罪に対する罰が十分ではないという感情を覚える人が少なくないということだとも思います。

 

特別オススメするほどではないですが、お子さんのいる女性は血沸き、肉躍る感覚は味わえるでしょう。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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