テッド


(原題:Ted)
2012年/アメリカ
上映時間:106分
監督:セス・マクファーレン
キャスト:セス・マクファーレン/マーク・ウォールバーグ/ミラ・クニス/ジョエル・マクフェイル/ジョヴァンニ・リビシ/他

 




 

愛らしい見た目に反して、汚い言葉と過激な表現で一大ムーブメントを巻き起こしたブラック・コメディ映画。

日本では有吉の吹き替えで話題を呼びましたね。

 

想像できる限りの極限のバカバカしさ、ドン引きしてしまうほどの下らなさ、苦笑いすら難しい下品さは何ともクセになる魅力があります。

その作風から間違いなく人を選ぶ作品であり、好きな人は本当に楽しく、嫌いな人はとことん不快にさせる尖った内容は”傑作”と呼ぶべきか”問題作”と呼ぶべきか。。

 

 

 

さっくりあらすじ

1985年のクリスマス・イヴ、ボストン郊外に住む少年ジョン・ベネットは「一人でいいから親友が欲しい」とサンタクロースにお願いをする。

朝を迎え、プレゼントされたテディベアに”テッド”と名付け、命が宿るようにと祈るとそれは現実となり、命を吹き込まれたテッドとジョンは晴れて親友となった。

 

27年後の2012年、ジョンは35歳になり、テッドも見た目は変わらないままだが中身はオッサンのようになっていた。

かつては「生きているぬいぐるみ」としてマスコミに取り上げられ、一世を風靡したテッドだったがその後は落ちぶれ、酒とマリファナに溺れる日々を過ごしている。

ジョンは恋人・ロリーとテッドとの3人暮らしをしているものの、仕事には身が入らず、休日はビデオを見てダラダラ過ごし、雷が鳴ると一人では眠れないなど、いまだに成長しない子供のようだった。

ロリーはそんなジョンの姿に憤り、ジョンが成長せず結婚も考えないのはテッドのせいだと考え始めるのだが、、、

 

 

 

休日はダラけてばかり

 

目を離せば部屋は滅茶苦茶に

 

そんな生活に嫌気がさす恋人・ロリー

 

 

 

 

テッド萌え

35歳にもなって子供じみた日々を送り、成長が見えない男性なんて世の中たくさんいると思いますし、男性目線での”かけがえのない親友”なんてこんなもんじゃないすかね?

もちろん奥様や彼女を優先する人の方が多数派だとは思いますが、男同士の絆を優先する人も世の中少なくないでしょう。

さすがに出世欲を持たず惰性で働き、人形とマリファナを吸ってビデオ鑑賞するような35歳はどうかと思いますが、逆にこんな友人と日々を分かち合って過ごせることには一抹の羨ましさを感じます。

 

物語の中心となるテッドが本当に可愛くて素敵です。

バカだけどユーモアがあり、ノリの良い性格は憎めないものであり、人間だったらマジギレしそうな人格もぬいぐるみであれば許せてしまう不思議な魅力がありますね。

テクニカルな面で言えば動くぬいぐるみを映像で作る上で、あのモフモフ感を再現した特殊効果担当の方に賛辞を贈りたいです。

 

そしてそんなイカれたぬいぐるみと友情を育むボンクラのジョンを演じるマーク・ウォールバーグも素晴らしい演技。

この人の演技は本当に自然で、意思が弱く流されやすく、全く以て将来性を感じさせないしょーもない男性としての魅力を存分に発揮しております。

 

そして唯一の常識人でありジョンの恋人・ロリーを演じるミラ・クニスもまた素敵、というかこんな彼女が欲しい。

ユダヤ系ウクライナ人という独特の風貌にオッドアイ(左右の目の色が違う)、そしてこの可愛さに甲斐甲斐しさと、こんな彼女がいたら超幸せ者ですよ。

ジョンとテッドの関係に辟易する常識人として、またその2人に振り回される被害者として、その哀愁漂う疲労感はコミカルで笑わせてくれます。

 

 

基本的には製作陣の考える笑いを押し付けるような形であり、正直コメディ作品としては粗いです。

モラルや倫理観などを全く気にしない、良くも悪くも突き抜けた”無責任”ぷりは実に潔く、個人的には大好物ですがアレルギーが出る人も少なくないでしょう。

恐らくは日本映画ではできないであろう表現なのは間違いないですな。

 

しかし、際どい演出やセリフにばかり目が行きがちですが、内容としては結構王道なファミリー映画といったところ。

逆に言えばファミリー映画をとことんブラックジョークで汚してやった作品だとも言えます。

極めてモラルの低い下世話な映画ではありますが、友情や愛情というテーマを見据えれば、ところどころに涙するような素敵なシーンの数々が作品を彩っています。

 




まとめ

面白いは面白いんですが爆笑ではなく実際は失笑の連続です。

むしろコレを観て心から爆笑するような人はちょいと人格に問題ありそうなので病院へ行っときましょう。

 

かなりアメリカ寄りの笑いのセンスなので「どこが面白いのかさっぱり分からない」という感想もあると思います。

ですが、本当にしょーもない映画ではありますが、本作に限っては”しょーもない”ことは最高の褒め言葉となることでしょう。

 

素敵な人形を交えた、くだらない愛と友情の物語です。

間違っても子供には見せないように。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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