ハニーvsダーリン 2年目の駆け引き


(原題:The Break-Up)
2006年/アメリカ
上映時間:105分
監督:ペイトン・リード
キャスト:ヴィンス・ヴォーン/ジェニファー・アニストン/ジュディ・デイヴィス/ジョーイ・ローレン・アダムス/ジョン・ファブロー/他

 




 

共演したヴィンス・ヴォーンとジェニファー・アニストンが、実際の交際にまで発展したロマンス・コメディ。

アントマン」シリーズの監督を務めたペイトン・リードが務めます。

 

燃えるような恋をして、いざお付き合いに発展し、互いの嫌な面を発見し、百年の恋も冷めていく。

誰もが経験するであろう恋愛の落とし穴だと思いますが、そういった恋の悩みをどう解決していくのかを描いたような物語です。

劇中で描かれるカップルは8:2で男性サイドが悪いような気がしますが、男性側の言い分もあながち的外れではないのかなと。

様々な意見が交錯するであろう本作は、誰が観ても得るものがある佳作だと思います。

 

 

 

さっくりあらすじ

野球観戦中に出会ったゲリーとブルックは意気投合し、交際を始めると共に共同でマンションを購入し、同棲を始める。

ゲイリーは兄弟でシカゴのツアーガイド会社を経営し、ブルックはアートギャラリーに勤務し、多忙な日々を送っていた。

それから2年が経過し、ゲイリーのいい加減でガサツな性格に嫌気が差すブルックと、過剰に几帳面で口うるさいブルックを嫌がるゲイリーの間に溝が生まれ始める。

両家の家族を招待した夕食会の後、互いに溜まっていた鬱憤をぶつけ合った結果、別れ話にまで発展してしまうのだが、、、

 

 

 

 

自分勝手、傍若無人なゲリー

 

それに対し、憤るブルック

 

そして修復不可能な状況に

 

 

 

 

 

主導権という幻想

要は勢いで付き合ったは良いものの、徐々に相手のマイナス面に腹を立てるところから物語は始まります。

ただし割と序盤から別れた状態であり、カップルではなくなった2人の情や後悔にフォーカスしていることが特徴的と言えるでしょう。

 

野球場でゲリーがブルックをナンパしてから2人の関係が始まるわけですが、もう冒頭からしてノリだけの2人です。

意気投合した彼らの、思い出が募るアルバム写真と共に映画のオープニングへと繋がりますが、これが本当に楽しそう。

仲睦まじいというか、ラブラブというか、楽しそうな時間を共有している思い出の数々は観ているこっちも思わず笑顔になりそうなほどです。

 

 

しかし良いことも、悪いことも、ずっとは続かないのが人生というもので。

やや几帳面で神経質にも見えるブルックの憤りが、マイペースで思いやりに欠けるブルックの振る舞いを見てガチギレるんですな。

この一連の流れは本当に何てことの無い、良くある話ですよ。

長く交際を続けているか、もしくは同棲したことがあれば誰しもが経験する類のものでしょう。

 

推定30代くらいのゲリーが家事を手伝うでもなく、帰ったそばからソファーに寝転がってTVを見たりゲームをしたり。

良い歳こいた大人がゲームに夢中になる姿はこれほどだらしないものなんだと、自分に重ね合わせてしまいましたよ(恥)

 

で、そこからは互いに心から嫌悪したわけでもなく、何とか反省させようとアレコレ牽制し合うのが物語の中心となります。

大人げないものから、それはやったらダメだよってものまで、素直になれない2人の探り合いは苦笑いの連続です。

 

互いに関係性の主導権を握り、どうにか上に立とうと考えるわけですが、傍から見るとすっごく下らないんですよね。

実際自分が当事者になればムキになってでも同じ事をしそうな気もしますが、対等な立場であるべき関係の中でマウントを取ろうとする姿勢がどんなに馬鹿馬鹿しいことか。

思いやりの無さが相手を傷つけるという、至って単純で簡単なことが分からないというのは問題ですよ。

 

ゲリーはブルックの事を労い、感謝する姿勢を。

ブルックはゲリーを選んだ自分の選択を、受け入れる覚悟を。

喧嘩をして感情的になってしまう時ほど、冷静な判断が必要です。

 

「この人が良いんだ」なのか。

「こいつはもうアカン」なのか。

良く考える前に行動に移せば、よりこんがらがって面倒なことになるのが恋愛というものだと思います。

 

 

最終的に上手く落ち着いた2人は結果的に成長しましたし、色々あった挙句に互いの魅力を見直すきっかけにもなったのだと思います。

元通りのカップルに戻るのか、はたまた良き友人として付き合っていくのかは濁してありますが、いずれにせよ自分を理解してくれる大事な人になったのは間違い無いでしょう。

 

 

概ね満足ですが、個人的にちょっとだけマイナスなのがヴィンス・ヴォーンの起用。

喜怒哀楽の表現が上手く、感情豊かで好きな俳優なんですが、どうにもジェニファー・アニストンと釣り合ってないんですよね。

先述したように8:2で男性側に非がある内容の作品なので「これだけ尽くしてくれる美人と付き合ってんだから我儘言ってんじゃねぇよ」という印象が付いて離れません。

ほとんどの女性は「こんな男は絶対に嫌だ」と拒否反応が出そうですし、面白い脚本を活かせる3枚目俳優は他にもいたんじゃないかなと。

 




 

 

まとめ

クスっと笑えて、切なさが胸に沁みるよくできた作品です。

カップルで観れば互いを思いやるきっかけになるでしょうし、シングルで観ればどうすれば好きな人に振り向いてもらえるかのきっかけにもなるでしょう。

ジェニファー・アニストンの安定の脱ぎっぷりも完備してますし、なかなかのオススメ映画ですよ。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 

 



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