(原題:The Man in the Iron Mask)
1998年/アメリカ
上映時間:132分
監督/脚本:ランダル・ウォレス
キャスト:レオナルド・ディカプリオ/ジョン・マルコヴィッチ/ジェレミー・アイアンズ/ジェラール・ドパルデュー/ガブリエル・バーン/アンヌ・パリロー/他
”三銃士”をモチーフにした映画って、最近やらなくなりましたよね。
「One for all・All for one」の言葉は非常に有名だけれども、元ネタの方が作品にならなくなってしまったのは少し寂しい気がします。
レオ様が一人二役を演じるということで、当時話題になった歴史活劇です。
「タイタニック」で一躍脚光を浴びた若手俳優を支える、とても豪華な俳優陣が非常に特徴的。
奇才ジョン・マルコヴィッチをはじめ、イギリス人の三冠俳優(トニー賞、エミー賞、アカデミー賞)ジェレミー・アイアンズ、フランスの名俳優ジョン・ドパルデュー、さらにアイルランドの名舞台俳優ガブリエル・バーンなど。
スーパースターの階段を駆け上がるレオ様を支える老練な俳優たち、目立つでもなく地味でもなく、この名脇役があっての本作と言えます。
さっくりあらすじ
1662年、フランス。
国王ルイ14世の独裁政治により国力は疲弊し、国民は貧困に苦しんでいた。
ルイ14世に仕えるダルタニアンは国の行方を憂い、かつての三銃士に相談に行くも、先代国王に仕えていた彼らは呆れるばかりだった。
ある日、三銃士の一人・アラミスは国王からイエズス会のトップを粛清するように命令を受け、思案の末に仲間を集め、自身が抱える秘密を話す。
まずイエズス会のトップはアラミス自身であること、そして国王は実は双子であり、フィリップと名付けられた片割れは鉄仮面を付けられ幽閉されていること。
三銃士はフィリップを救出し、三週間後に予定されている舞踏会にてルイ14世とフィリップをすり替えようと目論むのだが、、、
ルイ14世こと、若かりしレオ様
相当なゲス野郎
かつての三銃士
先代国王が亡くなり、隠居生活
創作ではなく実話だとも言われてます
往年の名俳優と、レオ様の将来性
繰り返しになりますが、もうね、本当にキャスティングが完璧ですよね。
贅沢三昧の日々を送り、気に入った女性を無理やり手中に収めたらポイするというルイ14世。
長い期間を狭く汚い部屋に幽閉され、マナーもろくに知らない悲劇のおぼっちゃまフィリップ。
正に対照的な2人であり人格はもとより、言葉遣いや仕草、果ては表情の作り方までを徹底して演じ分けるレオ様の演技は非常に素晴らしいものです。
後に晴れてオスカー俳優となるわけですが、この当時から類稀な才能を存分に発揮していますね。
そんなルイ14世とフィリップを巡り行動する三銃士もまた素晴らしく、そこにいるだけで絵になるというか、威厳を漂わせるおじさん達の姿は正にレジェンドそのもの。
笑いあり、涙あり、怒りありと、サスペンス性の高い物語のスパイスとして、これ以上ないほどの存在感を見せつけます。
最近は取り上げられる機会も減り、フランスの歴史モノというのはやや取っつきづらい難点があるものの、時代背景も歴史的観点もしっかりと作り込まれているあたりも親切ですな。
”仮面の男”が実在したとか、しないとか、、うまい具合に演出されたミステリー性もまた興味深いところです。
余談ですが、34年にもわたり監禁されていた囚人は実在したとされ、この囚人の正体を探ることは禁忌とされ、他の囚人と交わることも無かったそうです。
正体不明な囚人にも関わらず上等な衣服を渡され、上等な食事を与えられていたとされるこの囚人は何者だったのでしょうか?
まとめ
恐らくはフィクションなお話なんですが、「もしかしたら?」を思わせるフィクションの面白さを前面に出した作品だと言えます。
歴史的なミステリーにアクションとサスペンス性を加え、誰が見ても楽しめる娯楽活劇と言ったところか。
盛り込んだ伏線と回収していく快感、おじさん達のテンポ良いアクション、歴史映画のジャンルに入るかは微妙なところですが、これはこれで間違いなく良作です。
やや古い作品ではありますが、今観ても面白いですよ。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。