
(原題:Tomb Raider)
2018年/アメリカ
上映時間:118分
監督:ローアル・ユートハウグ
キャスト:アリシア・ヴィキャンデル/ドミニク・ウェスト/ウォルトン・ゴギンズ/ダニエル・ウー/デレク・ジャコビ/他
イギリス発のアクションゲーム「トゥームレイダース」を映画化した作品を、リブートしたアクション・アドベンチャー。
(ややこしい)
アンジェリーナ・ジョリーによる、本物と見間違えるクオリティの同名映画シリーズの公開が2001年&2003年なので、実に15年振りのララ・クロフトの大冒険ですな。
余談ですけど昔はね、ゲームを買うと「体験版」なるディスクが同封されていてね、新作の一部が無料で配布されていたんですよ。
で、この「トゥームレイダース」の体験版もプレイしたんですが、虎かなんかが超強くてね、あまりの難易度に驚愕した記憶があります。
残念ながらそれ以降は一度も触っておりませんが、長く愛されるシリーズになり、映画化までするとは当時は思いもしなかったなぁ。
まぁ、どうでもいいですな。
さっくりあらすじ
世界的な大企業・クロフト社を経営するリチャードは卑弥呼の謎を解くため、14歳の娘・ララを置いて冒険に出るも、そのまま失踪してしまう。
7年後、失踪した父の死を認めたくないララは自転車便のバイトを始めるが、通っているジムの月謝も払えないほどに困窮していた。
幼い頃からララを知っているクロフト社の重役・アナは遺産相続をするように呼び掛け、渋々これに応じたララは父の遺品の中に見覚えのあるものを見つける。
和風のパズルを解くと中には写真と鍵とメモがあり、ララは父の手がかりを掴もうとするのだが、、、
バイトで食いつなぐララ
実は超絶お金持ち
父の遺品からメッセージを受け取り
香港へと向かうことに
映像の迫力はなかなかのもの
編集って大事
まずは若きララ・クロフトを演じるアリシア・ヴィキャンデルがもう可愛いのなんのって、美しい顔立ちにキュートさを併せ持つ魅力的な女優です。
「エクス・マキナ」や「コードネーム U.N.C.L.E」の時も素敵でしたが、その美貌と鍛え抜かれた肉体美を活かす機会がようやく巡ってきたわけですな。
アンジーが演じたララ・クロフトがあまりにもハマり役だっただけに、ゲーム時代からのファンであれば今回のララに対する不満も分からなくはないですが、個人的には全然アリだと思います。
ましてや若く、未熟な時代のララを演じているわけですからね、そういう意味でも及第点な演技ではないでしょうか。
ただし、本作って期待するほど面白くはないんですよね。
それも原因は極めてハッキリしていて、無駄なカットが多すぎて物語の焦点がボケボケになっているんですわ。
ただでさえ無理に日本の古典になぞらえた意味不明なトンデモ論を脚本に落とし込んでいるだけに、シンプルで分かりやすい構成が必須だったであろうことは一目瞭然でしょう。
神秘的やカルト的な学説にはロマンが溢れるものですが、それらを活かせるだけの演出に辿り着いていないのが最も残念なところ。
端的に言えば、あまりにも無駄なシーンが多すぎて濃度が薄まり、結果的に印象に残らない薄い完成度になっているということです。
自転車のシーンや完結しない恋愛風味な味付けや、意を決して形見を質屋に入れるシーン(大富豪じゃないんかい)などなど、どう見ても無駄なエピソードが多く、またどれもつまらないので必要性を感じません。
アクション性はアリシア・ヴィキャンデルの頑張りもあって見応え十分な出来ではあるものの、いざ探索に入れば大した謎解きやギミックがあるでもなく、アドベンチャー感に大いに欠けるのも痛いところ。
全体的に観れば綺麗にまとまっているとは思うものの、やはり「トゥームレイダー」というコンテンツの密度を考えれば物足りなさは否めない気がします。
アリシア・ヴィキャンデルが体を張った好演を見せてくれただけに、製作陣の怠慢が見逃せず、とにかく勿体ない。
続編が出るのであれば、今一度期待したいところですな。
まとめ
それなりの完成度ではありますし、決して退屈な作品ではありませんが、ララが飛行機の羽から飛んだ以外に記憶に残らない映画でもあります。
特に印象に残るものも無く、ポップコーン・ムービーとしては及第点といったところか。
それでもかかった予算や作品としての規模、アリシア・ヴィキャンデルの努力を鑑みれば物足りない作品ではありますし、もっと面白くできたはずという感想が付いて回ります。
まぁ観て損は無いエンタメ性は備えていると思います。
良ければ一度ご鑑賞くださいませ。