(原題Dead Heat)
1988年/アメリカ
上映時間86分
監督:マーク・ゴールドブラッド
キャスト:トリート・ウィリアムズ/ジョー・ピスコポ/クレア・カークコンネル/リンゼイ・フロスト/ダーレン・マクギャビン/ヴィンセント・プライス
製薬会社の陰謀を解決すべく、2人の刑事が立ち向かうSFアクション・サスペンス。
子供の頃、友人宅にお泊りした際に観た懐かしい映画です。
さすがに今観ると怖さなんて微塵も感じないですが、少年だった当時は、もう一人でトイレにすら行けないほどビビッていた記憶があります。
観るもの全てが新鮮で、ドキドキハラハラで、思えば随分つまらない大人になってしまったもんです(ノ_<)
で、こないだ見返してみたら、今でも十分面白い。
思えば初めて観たバディ・ムービーになるかもしれません。
さっくりあらすじ
クールな刑事・ロジャーとワイルドで子供っぽい刑事・ダグ。
ある日、無線を聞いた二人は宝石強盗と撃ち合う警官に加勢し撃退する。
しかし署に戻り強盗犯の検死結果を聞くと、犯人達は過去にすでに死亡し検死まで受けていたことが判明する。
防腐処理に使用されていた薬剤を大量購入していたことで、ダンテ製薬が怪しいとにらんだ二人は調査に向かうのだが、、、
ロジャーとダグ
軽口を叩きながらも強い絆がある
こいつ、超怖くない?
色々あって2人ともゾンビ化
懐かしさと斬新さ
まさに昔の痛快B級アクションホラーといった感じ。
大味な戦闘シーンと、分かりやすいサスペンス要素を十分に含んだ、古き良きゾンビ映画といったところでしょうか。
まず主人公が二人とも死にます。
しかも結構あっさり死にます(でもゾンビで復活!)
その上、ヒロインまで死ぬ(この映画で一番の子供トラウマシーン)という、よく考えたら救いの無い斬新な展開ですな。
それにも関わらず、わりと陽気な主人公たちのキャラクターや、テンポよく最短距離を進む脚本に重苦しさや鬱要素は全くありません。
主要人物が全員死ぬにも関わらず、悲観的な雰囲気にならない展開って結構すごくないですか?
また特殊メイクが秀逸で、撮影方法や編集次第ではまだ通用するんじゃないかと思ってしまうくらい、非常によくできています。
最初こそ普通の人間と変わりませんが、徐々にゾンビ化していく主人公の変化はかなりの臨場感を誇り、ぶっちゃけ最後の方とかキモいですからね。
美しい女性がボロボロに崩れていくシーンなんかは、子供が観たらマジでトラウマものですよ。
さすがに映像自体は古臭いので、大人になった現在では逆に微笑ましいものではありますが。
特筆すべきは、中華精肉店での戦闘シーンと最後の戦闘シーン。
中華精肉店は当たり前ですが肉だらけ、それが敵の策略により全部蘇るというかなりカオスな演出は実に素晴らしい。
そして牛なんだか豚なんだか、、でかい肉の塊が襲いかかってくるシーンはなんとも斬新なアイデアですな。
最後の主人公ゾンビVS敵ゾンビのガンアクションもユニークなアイデアが秀逸です。
なんせお互い死なないもんだから、避けることなく棒立ち&マシンガン撃ちっぱなし&撃たれっぱなしというシュールな映像はなかなかお目にかかれません。
まとめ
映像やアクションの質や特殊効果など、現在の感覚で観たらさすがにあらゆる面で劣ります。
しかし往年のB級映画や、古くとも良作と呼ばれる映画を試してみるにはうってつけの名作かと思います。
ホラーのくせに、悲壮感ゼロで明るく観れる面白さがあります。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。