アクアマン


(原題:Aquaman)
2018年/アメリカ
上映時間:143分
監督:ジェームズ・ワン
キャスト:ジェイソン・モモア/アンバー・ハード/ウィレム・デフォー/パトリック・ウィルソン/ドルフ・ラングレン/ニコール・キッドマン/他

 




 

 

アメリカンコミック原作のクロスオーバー「DCエクステンデッド・ユニバース」の6作目となる、SFアクション大作。

ジャスティス・リーグ」に搭乗したアクアマンことアーサー・カリーの起源と、海の支配者となるまでの過程が描かれます。

監督は「ソウ」で脚光を浴び、その後もヒット作を作り続けるアジア系監督ジェームズ・ワン氏が務めます。

 

ワイルド系イケメンであるジェイソン・モモアの魅力は相変わらずですが、それに加え脇を固めるキャスティングもなかなかに魅力的。

数々の映画で名脇役として存在感を放つウィレム・デフォー。

舞台俳優から成り上がり、幅広い演技力に定評のあるパトリック・ウィルソン。

軍曹が帰ってきたぜ!!ドルフ・ラングレン。

かの人気キャラクター、ジャンゴ・フェットを演じたテムエラ・モリソン。

ジョニデとの泥沼離婚で世間を騒がせたアンバー・ハード。

そして圧倒的なキャリアを誇る美魔女ニコール・キッドマンと。

非常に幅広く、奥深いキャスティングであり、絶賛迷走中の超大作を成功させようとする気概が見て取れます。

 

が、、、

 

 

 

さっくりあらすじ

1985年、灯台守のトムは海底国の女王・アトランナと出会い愛を育み、後のアクアマンとなるアーサーが生まれた。

現代、アーサーの異父弟にあたるオームは隣国の王と盟約を結び、海の環境を破壊する人間に対して戦争を仕掛けることを決意する。

また海底に存在する全ての戦力を我が物にするため、同盟国の半数以上の承認を得て海の支配者=オーシャンマスターとなるため、手段を択ばずにいる。

地上にいたアーサーはオームが仕掛けた津波を受けるも海底国の女王・メラに助けられ、オームの暴走を止めるために協力を請われるのだが、、、

 

 

 

 

海底人と人間の間に生まれたアーサー
2つの種族の間で揺れる

 

そんなアーサーに協力を願い出るメラ
海底国の一つ、ゼベルの女王

 

武力で海底国を統率するオーム
人間界への侵攻を目論む

 

 

 

 

多彩な映像表現は良い

感動を生む絶景から目を背けたくなるグロまで、あらゆるシーンを絶妙に彩るジェームズ・ワン監督ですが、本作も例に漏れず様々な映像で魅せてくれます。

迫力あるアクションやチェイスシーンに幻想的な海底の王国に、浮遊感を感じさせる水中でのバトルなどなど、どれも斬新で興味深く、文字通り目で楽しい仕様になってますね。

舞台が海底なだけに水中シーンが中心になってはいるものの、陸上での演出もユニークで迫力満点であり、総じて映像的な表現は極めて完成されていると言って良いでしょう。

 

人間界と、人間により環境を汚染されている海底人との諍いが物語の土台になりますが、世界共通の環境汚染をテーマにしている割には明るく楽しい作風になっています。

個人的にはこのノリがちょっと受け入れ難く、より重苦しいタッチにしてくれた方が映画に厚みが出たように思ってしまうわけで。

誰もが楽しめるエンタメに寄せるのは否定しませんが、そもそもDCの作風自体がダーク寄りな内容のものが多いわけですし、この根本的な部分がブレてしまうのが残念なところ。

 

壮大な映像力とユニークな作風で大成功を収めたMCUを意識するのも分からんではないのですが、DCはDCなりに培った歴史やイメージがあるわけで、そこだけは硬派に守ってほしかったですな。

とはいえコレも商売であるわけで、明るく楽しいエンタメを望む分母が多ければ仕方のないことだとは理解しています。

 

 

物語としては、アクアマン=アーサー(半海底人)の存在を良しとしない弟が支配者を目指し、人間界に侵攻しようとする流れ。

やはり同じヒーローものということで、MCUシリーズになぞらえれば似たようなプロットになるのは仕方ないところか。

とはいえアクアマンの起源が観れるのかと思えば、幼少期を終えたらいつものアクアマンだし、どういった成長を経て超人になったのかを丸々端折ったのはさすがにビックリでしたが。

 

よって脚本的に目新しいものは見当たらず、ついでにDCEUとの繋がりもあまり感じられず、シリーズ作品というにはあまりにも”異色”に感じられるわけですな。

ついでに140分も時間を使うほどに内容が濃いわけでもなく「せっかく面白映像作ったからカットするのが嫌だった感」が否めません。

 

 

あとは細かい不満を言ったらキリが無いんですけどね。

とりあえず中ボスがここ20年くらいの映画で最もダサいビジュアルだったことが1番印象的でして、この超絶恰好悪いデザインは逆に見て欲しいと思うくらい。

もし自分が演者だったら「嫌がらせか?」と製作陣を疑いますよ。

これだけの映像表現ができるにも関わらず、仮面ライダーにも劣るデザインが生まれたのは衝撃の一言。

これでOK出るなら俺にやらせてくれよ、マジで。




 

まとめ

悪い印象が先行してしまいましたが、世界中では大ヒットを記録しているだけに、筆者の感性がズレていることは否定しません。

しかし、今回は「ちょっと趣味と合わなかった」ではなく「間違いなくつまらなかった」なので、コレを面白いと思える人の感覚は冗談抜きに理解できないんですよね。

映像表現や娯楽性は及第点だと思いますが、いかんせん映画としての完成度は著しく低いように思います。

 

映画館で観なくて良かったと久しぶりに思いましたよ。

まぁでも、、観て損は無いかなぁ、、微妙なところですね。

とりあえずジェイソン・モモアはワイルドでイケメンでした。

 

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。



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