ワイルドスピード/スーパーコンボ


(原題:Fast & Furious Presents:Hobbs & Shaw)
2019年/アメリカ
上映時間:135分
監督:デヴィッド・リーチ
キャスト:ドウェイン・ジョンソン/ジェイソン・ステイサム/イドリス・エルバ/ヴァネッサ・カービー/ヘレン・ミレン/他

 




 

2001年から始まったシリーズ初のスピンオフとなる、世界を代表するガチムチ2人が共演するアクション映画。

 

いやね、ポール・ウォーカーの大ファンだっただけにね、彼の亡き後はいまいち観る気が起きなかったんですよね。

ましてスピンオフだし、キャストを見ても「ベタベタなハリウッドアクション映画」という感じで全く食指も動かず。

かつて描かれた車への愛も、それを支えた主人公も、彼らを交えた人間ドラマも、何もかもが無くなってしまったわけですよ。

これは実際に観ても全くもって覆ることもなく、続編の製作も進んでいるそうですが、筆者的にはこのシリーズは「終わった」ものだと確信しております。

 

ネガティブは拭えませんが、別物のアクション大作だと思えばコレはコレで面白く、派手なエンタメ性は決して否定できるものでもありません。

終わったことは終わったこととして、新たな楽しみとして受け入れる度量も必要なんだと感じる今日この頃ですわ。

 

 

 

 

さっくりあらすじ

イギリスの諜報機関・MI6が殺人ウィルス「スノーフレーク」を積んだ車を襲撃するが、テロ組織”エティオン”のエージェント・ブリクストンにより部隊は壊滅させられた。

MI6隊員のハッティは咄嗟にウィルスを自身の体内に注入し逃走したが、エティオンの情報操作によってMI6を裏切ったテロリストとして報道されてしまう。

英・米両政府は元米外交保安部のホブスと、元英国特殊部隊員のデッカードにハッティの身柄の拘束を依頼する。

反発し合いながらも2人がハッティの身柄を確保したのも束の間、やはりエティオンによってテロリストへと仕立て上げられてしまうのだが、、、

 

 

 

 

息の合わない2人
互いに主導権を譲らない

 

殺人ウィルスを身に宿すハッティ
テロ容疑で拘束される

 

そんな彼らを狙うブリクストン
改造された超人兵士

 

 

 

 

 

悪の組織

様々な価値観が交錯し、多面的に物事を見極めることが求められる現代において「悪の組織」というキーワードがむしろ新鮮に感じます。

一応は環境保護を謳う謎の組織「エティオン」ですが、選民思想をベースに過激な手段を行使する姿はまさに”悪”そのもの。

昔の「仮面ライダー」レベルの脚本を、これだけのキャストと予算をかけて製作した姿勢には頭が下がる思いではありますが、それにしてもくだらない。

 

ワイルドスピードの冠名はついてはいるものの、実質は過去のシリーズとはかけ離れた内容であり、スピンオフというにも少々遠い内容です。

良く出来たエンタメ・アクション映画だとは思いますが、ワイルドスピードのつもりで観ると大きな肩透かしを食らうことは必至。

どちらかと言えば「ミッション・インポッシブル」寄りなスパイ・アクションですし、終盤のカーチェイスは安定の迫力を誇るものの、やはりシリーズとの差異は埋められてはいません。

 

 

世界の危機&金髪美女&ガチムチアクション&爆発と、良いか悪いかは別にして、どう見ても往年のハリウッド映画ですな。

ということで特筆すべきものは無く、2人のガチムチハゲ親父が反発し合いながらも協力し、最終的に悪を討つというスタンダードな流れ。

個人的に好きなイドリス・エルバがラスボスとして登場するのが印象的でしたが、まぁすぐに忘れるような内容ですわ。

 

世界の危機を招くようなウィルスを扱うわりには、おバカ全開な作戦に臨むホブス&ショウ。

むしろ「フォールアウト」を観てるのか?と困惑するほどに役作りがなっていないヴァネッサ・カービー。
(でも可愛いから許す)

近未来的なハイテク機器を持ちながらも、全てにおいてツメが甘い悪の組織「エティオン」

でも環境保護を謳うだけあって、ハイテクな電気自動車や認証型重火器で環境に優しい「エティオン」

でも人間を脊髄ごと改造しちゃう恐ろしい組織「エティオン」

その割に改造人間が1人しかいない、うっかりさんな「エティオン」

何よりノーベル賞を得るような天才が作ったにも関わらず、車の改造に詳しいだけの素人が、専門の施設が無くても直せてしまうウィルス抽出装置。

 

などなど、枚挙に暇がないツッコミどころの嵐であり、いくらポップコーン・ムービーにしてもちょっと度を超えている印象。

頭を空っぽにすればそれなりに楽しめる映画だと思う反面、少しでも雑念があると幼稚で退屈にも感じられます。

 

 




 

 

まとめ

鍛え上げられた2人のアクション俳優のスタントはさすがに素晴らしく、見応えもあるでしょう。

最新の演出で彩られたアクションやカースタントの数々も、迫力満点で面白いものです。

でもそれ以外に何も無い作品でもあり「ぼくがかんがえたあくのそしき」を地で行く内容には、苦笑いが止まらないのもまた事実。

決して退屈な映画ではないですが、特別優れた映画でもなく。

観て損は無いけど、観るべき映画でもないと。

 

何とも判定に困る作品ではありますが、まぁそれなりには楽しめるでしょう。

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。

 



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