96時間/リベンジ


(原題:Taken 2)
2012年/フランス
上映時間:91分
監督:オリヴィエ・メガトン
キャスト:リーアム・ニーソン/マギー・グレイス/ファムケ・ヤンセン/ラデ・シェルベッジア/リーランド・オーサー/他

 




 

前作はコチラ

娘を救うため、単身マフィアを壊滅させるパパ無双なアクション・スリラーの続編となります。

 

数々の映画賞の常連であり、大英帝国勲章(騎士=ナイトの称号)を送られるような大御所リーアム・ニーソンが、初老を迎えてから本格アクションへと参入した前作。

極めて冷静沈着で、手慣れた風に敵を無力化していく”おじさん”の姿が実に印象的で、また魅力的でした。

そんな最強おじさんを相手に、どう困難なシチュエーションを作るのかが製作陣の腕の見せ所となるわけですが、今回は状況が大逆転。

シリーズものとしてのアイデアが面白い、続編としてはまぁまぁな佳作となっております。

 

 

 

 

さっくりあらすじ

元CIA工作員で現在は要人警護を務めるブライアンは仕事のため、イスタンブールへと来ていた。

一方で、人身売買組織のボス・マルコはブライアンが殺した息子の復讐を誓い、大勢の手下をイスタンブールへと送り込む。

その日の警護を終えたブライアンは元妻のレノーアや娘のキムと合流し、翌日にはレノーアと2人で食事へと出かける。

しかし何者かに尾行されていることに気づき、レノーアを逃がそうとするのだが、、、

 

 

 

 

 

今回の被害者は奥様
散々な目に遭う

 

前回の被害者・キムが大活躍
超絶運転技術を披露

 

パパ無双は相変わらず

 

 

 

 

反転

「お前はこれから攫われる」という斬新な切り口で始まる前作に対し「パパとママはこれから攫われる」という、さらなる斬新な切り口で始まる本作。

これが素晴らしいアイデアでして、前作を観た人からすれば「おぉー」っとニヤつくような憎い脚本ですな。

 

前作では娘を誘拐した組織に対しマジギレなパパが無双する物語だけに、娘は終盤まで出てきませんでしたが、今回は娘が大活躍。

やはり修羅場は人を成長させるものなのか、窃盗&無賃乗車&無免許運転(ドリフト)&街中に手榴弾と、パパにも匹敵する行動力で全面サポートに回ります。

 

その分というわけでもないでしょうが、囚われの身からスタートするだけにパパの無双っぷりは前回に比べ控えめな印象。

まぁリーアム・ニーソンが元々アクション畑な人ではないし、そこは贅沢な我儘だとは思うものの、もう少し演出&編集でどうにかできたんじゃないの感も否めません。

具体的に言うとスピード感を演出するためのカット割りが早く、細かく、結果として見づらいという最もマイナスな編集が嫌でも目につきます。

このあたりは明らかに監督の守備範囲ですし、メガトン監督の手腕に少々疑問が残るかなと。

 

 

ついでに言えば、やはり前作に比べると怒りのボルテージもやや低め。

問答無用で容赦なく、手段を問わずに敵を追い詰めた前作に比べ、今回は冷静で痛快さには少々欠けていますね。

憎悪の螺旋を断ち切るための判断は賛否両論なのも理解できますが、傍から見れば娘>妻の図式にも見えてしまいますし、何とも消化不良な印象です。

 

とはいえオープニングから痛いほどに親バカ全開かと思えば、いかなる状況でも冷静で頼りになるパパの無双っぷりはやはり魅力的なものではあります。

特に、どんなわずかなヒントでも知識を駆使し窮地を脱する流れは非常にユニークで魅力的です。

絶対に真似できる技ではないのですが、もし自分が拉致された時のために覚えておこうと思わせるロマンが溢れているわけですよ。

ついでに相手の救いの無いクズっぷりも相まって、見事なまでの逆恨みを蹴散らしていく構成は、単純ながらも鉄板で面白いですよね。

 

 




 

 

まとめ

多少の物足りなさはあれど、続編としては及第点な完成度です。

穴だらけの設定にツッコミどころ満載の脚本に、作品としての粗を上げたらキリが無いので素直に受け入れてあげましょう。

予想を上回る面白さとは言いませんが、ポップコーン・ムービーとしての安定感は抜群です。

 

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。



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