(原題:Jurassic World)
2015年/アメリカ
上映時間:125分
監督:コリン・トレボロウ
キャスト:クリス・プラット/ブライス・ダラス・ハワード/ニック・ロビンソン/タイ・シンプキンス/ジェイク・ジョンソン/ローレン・ラプクス/ケイティ・マクグラス/オマール・シー/B・D・ウォン/イルファン・カーン/他
1993年公開の恐竜映画の金字塔「ジュラシック・パーク」シリーズの4作目にして、前作から実に14年もの歳月を経て公開された大作映画です。
構想自体はかなり前の段階で持ち上がってはいたものの、脚本や監督選びが難航し、なかなか製作が始まらなかったそうな。
監督を務めたのはデビュー2作目、新人と呼んでも差し支えなさそうなコリン・トレボロウ氏。
大抜擢です、マジで。
製作総指揮を務めたスティーブン・スピルバーグ氏の目に留まった新鋭監督ですが、2019年公開予定の「スターウォーズ・エピソード9」の監督も内定済みのようです。
「マン・オブ・スティール」「パシフィック・リム」「GODZILLA」を手掛けたレジェンダリー・ピクチャーズが映像・演出に携わったせいか、個人的に過去作に比べて怪獣要素が強めな印象。
ひっそりと、プレオープンの域から出なかった過去作とは大きく異なり、テーマパークとして完成した後のお話しとなっております。
大迫力な完成されたエンターテイメントとして評価される一方で、熱狂的なファンからすれば既視感があり、斬新さに欠けるとの指摘が多いように感じます。
なんせ14年ぶりですからね、みんなのハードルが上がるのも仕方ないところですかね。。
さっくりあらすじ
「ジュラシック・パーク」での事故から22年、イスラ・ヌブラル島では新たに「ジュラシック・ワールド」というテーマパークが完成し、人気を博していた。
パークの新たな目玉恐竜として、遺伝子工学を駆使して生み出された新たな恐竜インドミナス・レックス。
その凶暴で強大な姿を目にしたマスラニ社のCEOサイモンの提案により、ヴェロキラプトルの飼育・研究員であるオーウェンに助力を要請する。
オーウェンが査察に訪れるも、赤外線センサーにも反応せず、隔離施設にいるはずのインドミナス・レックスは忽然と姿を消していた。
様子を見るため、監視員を連れて施設内に入ったオーウェンだったが、逃げ出したと見せかけたインドミナス・レックスの罠にかかり襲撃される。
監視員は死亡、何とか逃げ切ったオーウェンだったが、インドミナス・レックスは隔離施設の外へと逃げ出してしまう。
一連の報告を受けたパーク責任者のクレアは緊急部隊に出動を命令し、インドミナス・レックスの皮膚に埋め込んだGPSを頼りに追跡を始めるのだが、、、
モササウルス
パークの現・目玉恐竜でシャイらしい
でかい、怖い、マジ怖い
ラプトルの訓練士オーウェン
元軍人
信頼と絆で恐竜を理解しちゃうすごい人
インドミナス・レックス
自然に存在しない人工恐竜
いわゆるキメラ体で恐竜ではない
ドキドキ感は◎
子供の頃に初めて本格的に再現された恐竜を見た感動、それに近い感動を覚えるドキドキがあります。
あの迫力、あの臨場感、あの怖さ、、いい歳こいたおっさんの記憶と感情を呼び起こすほどの映像表現は非常に素晴らしいものです。
実際に完成し、お客さんでごった返すパーク内はリアルというか現実的というか、、とにかくすっごい楽しそう。
「でも混んでんだろーなぁ、、、入園料高いんだろうなぁ、、、」とつい思ってしまうくらいのリアリティを感じます。
しかし商いとは止まってはいけないもの。
恐らくは世界一のテーマパークでもそれは同じで、新たに目を引く大型恐竜の開発を手掛けてしまったことから悲劇が始まるわけですが。。
新たな目玉となるインドミナス・レックスは最強と名高い大型肉食恐竜T-レックスをベースに、多くの恐竜のDNAを交配しています。
さらにアマガエル(冷血性)、イカ(擬態能力)と多種に渡る遺伝子を組み合わせたキメラ生物は、もはや恐竜と呼ぶのも怪しい怪物です。
とはいえ危険な場所なのにGPSの確認もせず、檻にノコノコ入る関係者のアホっぷりも正直見逃せないところではありますけどね。
ここは動物園かと(笑)
そんなこんなで、残りの展開は大体イメージしている通りの内容なので、特筆すべきものは無し。
久しぶりに見る恐竜の迫力や脅威を素直に感じ取るだけで良いと思います。
ラストバトルで元祖T-レックスが出てきたのは個人的にけっこう感動。
何か妙な懐かしさを覚えたと共に「負けるなレックス!!」とやけに感情移入してしまいました。
まとめ
全体的に過去作を匂わせる演出が多く、既存のファンに対してのサービスが多かったように感じます。
前半は控えめですが中盤~後半に向かって恐竜たちが大暴れするサマは見応え十分、大人も子供も楽しめるエンターテイメントです。
強いて言えば丸く収まった風なエンディングですが、訴訟と補償と損害賠償を考えればパーク責任者のクレアはムショ行きじゃないのか?と邪推するのが大人の(筆者の)陰湿なところでしょうか。
どう見ても手放しで喜んでる場合じゃないぞ、と。
感覚的に「新作」というよりは「リブート」といった感じ。
一作目を超えるような濃度は無いにしても、退屈せず最後まで観れる作品ではあります。
歴代の過去作を見てからの方が楽しめるかもしれません。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。