スーサイド・スクワッド

(原題:Suicide Squad)
2016年/アメリカ
上映時間:123分
監督/脚本:デヴィッド・エアー
キャスト:ウィル・スミス/マーゴット・ロビー/ジャレッド・レト/ジョエル・キナマン/ヴィオラ・デイビス/ジェイ・コートニー/ジェイ・ヘルナンデス/他

 




 

公開には間に合いませんでしたが、やっとこさ観に行けました。

バットマンで有名なDCコミックのヴィラン(悪役)が集結するということで、ファンの間では非常に期待値が高かった期待作。

しかしアメリカではそれに応えるほどの称賛は得られず、やや不安な立ち上がりで日本公開を迎えました。

その不評を踏まえた上でも個人的には期待でドキドキでして、久しぶりに胸がときめくレベルの興奮があったのですが、何とも煮え切らない気持ちになってしまったのが正直なところ。

 

ヒューリー」はすごく面白かったんだけど、「バットマンvsスーパーマン/ジャスティスの誕生」はイマイチだったし、デヴィッド・エアー監督とDCコミックは相性良くないかもしれないなぁ。。

「駄作」と言うよりは「未完成」と言った方が正しいかもしれません。

詳しくは後述しますが、ハッキリ言えば「レンタルで十分」ということです。

 

 

 

さっくりあらすじ

アメリカ政府組織”A.R.G.U.S”のアマンダ・ウォラーはメタヒューマンが人類の脅威になった時に備え、凶悪犯罪者専門のベール・レイヴ刑務所に囚われている悪人たちの部隊「タスクフォースX」の設立を目指していた。

古代の魔女・エンチャントレスの心臓を支配下に置き、超常的な力を見せつけることで設立の許可を取ったアマンダだが、エンチャントレスが隙をついて逃走してしまう。

エンチャントレスが弟である古代の戦士を復活させたことで状況は一変、強大な結界を張り巡らせ、人間を自身の僕に生まれ変わらせ、巨大な破壊兵器を建造し始める。

すぐさま「タスクフォースX」の出動が許可され、凶悪犯罪者の面々が現場へと送られるのだが、、、

 

 

 

 

160726140750-suicide-squad-deadshot-780x439実質の主人公・デッドショット
狙撃が得意で射程距離4Km

 

ヒロインのハーレイ・クイン
超絶エロ可愛い

 

ジャレッド・レト演じるジョーカー
個人的には大満足

 

 

 

 

「編集」の意味と価値

「うーん、なんか編集がおかしくなかった?」

まさにそんな感じ。

公開前の予告動画が異常な人気を博し、そのせいもあって期待値がハネ上がってしまったわけですが、どう観ても予告動画以上の感動はありません。

 

アメリカの映画批評家やレビュアーの間で散々言われてきたことですが、予想以上に編集がムチャクチャな印象、というかそこしか印象に残らないほど残念な仕上がりでした。

ストーリーのほぼ全編に渡ってぶつ切り、ぶつ切り、、何と言うかダイジェストを観ているような錯覚すら覚えます。

試しにカットした部分を見せてみろと本気で言いたくなりますね、これは良くない。

ついでに作中で流れる楽曲も半分くらいは?な感じ、映像とのミスマッチが個人的に引っかかりました。

 

 

せっかく個性豊かに登場したスーサイド・スクワッドのメンバーも、デッドショットとハーレイ・クインを除いて非常に影が薄く、いなくても大丈夫なメンバーもチラホラ。

単なる数合わせ的な意味合いが強く、役者がかわいそうに思えるほどに格差がすごいです。

 

ウィル・スミスが別格なのは仕方ないとしても、紅一点で素晴らしい演技だったマーゴット・ロビーが目立つのは仕方ないにしても、「もう少し何とかできたでしょうよ」とツッコミたくて仕方ないです。

序盤のキャラ紹介もデッドショット、ハーレイ・クインに続き、後半にいくほどザックリと、紹介らしい紹介を受けられなかったキャラまでいる始末。

 

バランス良くキャラ立てできなようであれば、あんなに登場人物を増やさなくてよかったですよね。

1人2人くらいは余裕で削れたでしょう。

さらに極悪人集団が暴れまわる姿を見たかったのに、普通に軍人と仲良しになってるし。

イカれてる犯罪者集団のはずなのになんか「話してみたら良いヤツ」みたいな感じで、ヴィランとしての魅力も中途半端で半減。

 

 

作品としても、ダークな雰囲気やブラックユーモアの中に見えるコミカルさというDCらしさは感じられず、いたって「普通」なダークヒーローものという感じ。

ジャレッド・レトの鬼気迫る演技も大幅にカットされ、作品を締める「狂気」が少ないのも良くなかったのではと思います。

 

悪のカリスマであるジョーカーは宙ぶらりんな扱いで、ワルではなく、正義の味方でもなく、ただただ彼女を救うために奮闘する好青年といった感じで「ジョーカー」の名に相応しいのかに疑問が残ります。

ついでに魅力的な敵が登場するわけでもなく、むしろ悪魔なのか悪霊なのかモンスターなのか、よく分からない曖昧なもの。

 

最終決戦でも異常に強かったラスボスがスクワッド側に合わせてレベルダウンしているのもいただけません。

ディアブロ(強烈な発火能力)とキラー・クロック(怪力ワニ人間)は別にして、精密射撃とバットじゃあいつには勝てないでしょ。

あとはカタナこと福原カレンは、もはやストーリー的には何の関係も無く、、、もういいや。

 




 

まとめ

待ち望んでハードルを上げ過ぎたせいもありますが、つまらなくはなかったです。

ただ異常に多いツッコミポイントはDCコミックに対する愛情でカバーできますが、やはり雑な編集と、端々に見え隠れする雑な演出は映画好きとしては見過ごせないレベルのものだとは言っておきます。

 

単なるB級アクション映画と思えばそれなりに楽しめるでしょうが、多少なりDCコミック愛がある人は腹が立つかもしれません。

まぁそんなにマジになるなよと言えばそれまでですが、少しだけ期待外れで落ち込みました。。

でも大目に見ればハーレイ・クインだけでもそこそこ満足。

 

最初に述べた通りレンタルで十分です。

決して駄作とは思いませんが、期待値を上回ることはないでしょう。

 

よければ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 

 



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