メン・イン・ブラック:インターナショナル


(原題:Men in Black:International)
2019年/アメリカ
上映時間:115分
監督:F・ゲイリー・グレイ
キャスト:クリス・ヘムズワース/テッサ・トンプソン/リーアム・ニーソン/エマ・トンプソン/レベッカ・ファーガソン/他

 




 

秘密裏にエイリアンの脅威と戦う秘密組織「メン・イン・ブラック」で働くエージェントの姿を描くSF・アクションコメディ。

1997年に始まったシリーズの7年ぶりの新作&シリーズ初のスピンオフ作品ということで、一縷の期待と大きな不安を感じておりました。

 

というのも、監督を務めたのが微妙な仕上がりだった「ワイルド・スピード/ICE BREAK」のF・ゲイリー・グレイ氏。

さらに脚本を務めるは「アイアンマン」のアート・マーカム氏&マット・ホロウェイ氏。

そして「マイティ・ソー」からクリス・ヘムズワース&テッサ・トンプソンのW主演などなど、ちょっとノリと勢いだけで突っ走ってる感を(勝手に)危惧していたわけですな。

 

そもそもウィル・スミス&トミー・リー・ジョーンズの凸凹コンビだからこそ面白かった側面もあり、どうにも素直に期待できないまま鑑賞に臨んでしまいました。

 

 

 

 

さっくりあらすじ

パリのエッフェル塔で黒づくめのエージェントが2人、エイリアンの侵略を防ぐため銃ひとつで立ち向かおうとしていた。

時は遡り20年前、宇宙に憧れている少女・モリーは自分の部屋で可愛らしいエイリアンを発見するが、すぐに黒づくめの男たちがやって来て両親の記憶を消去するところを目の当たりにする。

そして現在、秘密裏にエイリアンを管理していると思われる組織に入るため優秀に成長したモリーだったが、CIAやFBIでもそのツテが見つからずにいた。

しかし、独自に開発したプログラムで飛来するエイリアンの存在に気付いたモリーは予想地点へと急行し、黒づくめの男達を発見するのだが、、、

 

 

 

 

執念でMIBを見つけたモリー
決してペガサス親衛隊ではない

 

腕利きエージェントのH
決して神様ではない

 

新たに描かれるMIB内部

 

 

 

 

何カガ違ウ、、

先に言っておくとですね、それなりに面白かったとは思います。

最新の映像で描くMIBの世界はとても愉快で魅力的、やたらメタリックなロマン溢れる兵器の数々も健在で、元のシリーズを意識したであろう作りは十分に感じ取れるでしょう。

 

そもそもスピンオフ作品なので元ネタに近づける必要も無いと言えば無いのですが、節々で感じる「コレじゃない感」が最後まで拭えなかった気もするんですよ。

それなりに面白い映画ではあるのですが、あくまで「それなり」な感じであって、シリーズ作品の魅力に匹敵するとまでは言えないのが正直なところ。

また、その原因は個人的に割とハッキリしていて、キャラクターの魅力があまり感じられなかったことに起因します。

 

元のシリーズが「気難しい伝説の先輩&元気に無茶をやらかす後輩」だったのに対し、今回は「チャラくていい加減な先輩&超優秀な後輩」の図になっております。

まずはですね、行き当たりばったりの先輩・Hと、つい最近まで素人だったモリーが地球を救うと言われても、、、ねぇ?

過去作のように伝説の先輩に揉まれた新人(元警官)ならまだ理解できるんですけどね。

 

 

CIAやFBIからもリクルートされるくらい優秀なモリーですが、実際にどれほど優秀なのかの描写は皆無ですし。

いきなりこの子は頭が良いんですよー優秀ですよーと言われてもね、、演出的に雑過ぎやしないかと。

仮にも優秀(なはずの)エージェント・Hが次々とポカをやらかし、モリーことMが咄嗟の判断でフォローする流れは良いとして、Hがどう見ても優秀に見えないのも減点。

モリーが優秀過ぎて影が薄く、彼じゃないと解決できない風な印象を全く感じないんですよ、全く。

 

一応は申し訳程度に交友関係の広さを示すシーンもありますし、コミュ力に長けるのも立派な能力だとは思うのですが、本当にそれだけ。

モリーとの対照的な面が悪目立ちしている感じで、どうにも演出が悉くスベっている印象ですなぁ。

真逆な人間が最終的に協力して事件を解決していくのが面白い物語なだけに、埋まっていないキャラの凸凹感に物足りなさを感じます。

 

ついでに言えば、どんなピンチでも余裕な態度を崩さなかった過去作の主人公に比べ、やたら必死になりすぎてユーモアも足りていません。

ゆるーい雰囲気ながらも何だかんだで地球を救っちゃったKやJと比べ、今回は全力で地球を救いに行っちゃってるんですよ。

ユーモアの見せ方が足りないのか、役者のユーモアが足りないのか、個人的には前者だと思いますが、、

 

それに加え、非常に真っ直ぐというか、今時珍しいくらいシンプルな作りでもあります。

特に捻りのきいたどんでん返しがあるでもなく、普通に観てれば中盤で大方の予想はできることでしょう。

あらゆるロマン兵器を使いこなすMIBエージェントですが、最終的に殴り合いになってしまう点も個人的にマイナス。

人型エイリアンの脅威は十分に描かれるものの、正体を現すと何故か弱体化するパターンも流石に見飽きましたよ。

 

 




 

 

まとめ

全体的に不満点が先行してしまいましたが、それでも面白く感じるのはシリーズならではのアドバンテージでしょう。

続編ありきで製作されたであろう感じはしますが、今後の興行収入次第な感じもしますし、ちょっと先行き怪しそうな気がします。

多少の不満はあれど、今後の伸びしろに期待したいので、観て損は無いということにしておきましょう。

 

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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