コンテイジョン


(原題:Contagion)
2011年/アメリカ
上映時間:105分
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
キャスト:マリオン・コティヤール/マット・デイモン/ローレンス・フィッシュバーン/ジュード・ロウ/グウィネス・パルトロウ/他

 




 

致死力の高い感染症が発生し、それに対応する人々の姿を描くディザスター系パニック・ドラマ。

パニック・ドラマなんてジャンルがあるかどうかも微妙な気もしますが、スリラーではなく、サスペンスでもなく、高いドラマ性が見所です。

 

実際にあり得るかもしれない未知の感染症を相手に、現実的に人々がどう動くのかを予測したような映画でもあります。

製作の際にはCDC(アメリカ疾病予防管理センター)や感染症の専門家なども集まったそうな。

ウィルスがもたらす恐怖はもちろんですが、こういったパンデミックが発生した時、どう人々が受け入れ、またどう抗うのかに注目しましょう。

 

 

 

 

さっくりあらすじ

香港への出張を終えた女性・ベスは帰国後に激しい咳と熱が発症し、意識不明の重体になってしまう。

夫のミッチはすぐに彼女を病院へと運ぶが、原因不明の脳炎によりそのまま死亡してしまった。

シカゴでは似たような症状が広まり始め、同時に世界各国で同じ感染症が広まっていくのだが、、、

 

 

 

 

 

感染症が広がり社会は崩壊
街から人がいなくなる

 

 

 

 

 

社会崩壊の兆し

たまに途上国の政治や経済の情勢が不安定になり、市民の暴動や内紛に至るようなニュースを目にしたりしますが、それが世界中に広がったような作品です。

「新種のウィルスによるパニック」というアイデア事態に目新しいものは無いものの、それがもたらす文明社会の崩壊をここまで丁寧に描いた作品は少ないと思います。

 

ゆっくりと静かに感染症が広がり、徐々に社会に浸透し、やがて手遅れとなるであろう時間に追われるようになる。

それに伴い、様々な立場での人間の視点でのウィルスの捉え方が描かれ、困難や危険に対する多角的な見方が非常に興味深いところ。

またキャスティングが異常に豪華なこともあり、地味めな作品でありながらも、予想以上に奥行きのある仕上がりになっております。

 

近年は「オデッセイ」や「ダウンサイズ」など、ご存知ジェイソン・ボーンことマット・デイモン。

アサシン クリード」や「ダークナイト・ライジング」のマリオン・コティヤール。

バットマンvsスーパーマン」や「アントマン&ワスプ」など大作映画に出演、モーフィアスことローレンス・フィッシュバーン。

キャプテン・マーベル」や「ファンタスティック・ビースト」に出演、世界一かっこいいハゲことジュード・ロウ。

「タイタニック」でスターダムを駆け上がったケイト・ウィンスレット。

愛しのローズマリー」が超絶可愛かった鋼鉄社長の嫁、グウィネス・パルトロー。

 

などなど、それぞれの群像劇を彩る役者たちの秀逸な演技が一番の見所と言って良いでしょう。

各々が主役級なスターばかりですが、極力地味な一般人に徹した演技は必見ですよ。

 

 

物語としては、徐々に広まるパンデミックの脅威を背景に、様々な立場にいる人達の思考や行動を交互に描いていくもの。

 

ウィルスが報告された現場へ出向き、現地での調査を経て驚異の度合いを調べようとする医者。

広がっていくウィルスのスピードに対抗するため、異常な方法でワクチン開発に勤しむ研究者。

妻と子供をウィルスで亡くし、残された娘を守るため頑なに外部との接触を禁じる父親。

事態を収束させるため尽力するも、責任とモラルの間で揺れ動く医者。

ウィルスの発生源を調べていたところ、トラブルに巻き込まれた医者。

世界が絶望に包まれる中、独自に練った対抗策を発信し続けるブロガー。

 

などなど、どのエピソードにも人間が持つ強さと醜さが描かれており、またテンポ良く描かれておりのめり込む面白さに溢れています。

 

 

ウィルスが広がっていく可能性を数学的に分析したり、虚実入り交えたブロガーが神格化していくサマなどは本当に興味深かったです。

特にジュード・ロウ演じるブロガーは本当にクソ野郎でして、何かバチが当たってほしいとムキになるくらいムカつきますよ。

そう思わせるだけの演技力は絶賛すべきですが。

 

あとは余談ですが、最初のウィルスの犠牲者になってしまうグウィネス・パルトロウの死に際のお顔がマジで怖いです。

後悔と贖罪の気持ちを掛け合わせ、無念ながら死んでいく演技は凄すぎてちょっと引くくらいっす。

 




 

 

まとめ

ウィルスが広がらないように規制し、発生源と感染経路を特定し、ワクチンを作る。

その大まかな流れの狭間で一喜一憂し、もがく人間の姿を描いた秀作だと思います。

映像的な派手さは無く、微妙に印象に残りづらい作品だとも思いますが、過去に起こったニュースを忘れていくのがリアルな我々の姿だとも思います。

 

冷静に考えればツッコミどころも無くはないですが、普通に観てればそこまで気になることもないでしょう。

マスクをすること、手を洗うこと、消毒することの大事さが良く分かる有難い映画です。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 

 



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